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スアレスの“不正受験“に新展開。疑惑のユベントスSDが釈明「我々に疑わしい点はない」

THE DIGEST編集部

2020.09.28

新天地のアトレティコ・マドリーでド派手なデビューを飾ったスアレスだが…。(C)Getty Images

 今回の移籍市場において、その動向が最も注目された選手のひとりが、バルセロナから戦力外通告を受けたルイス・スアレスである。

 最終的には同じラ・リーガのアトレティコ・マドリーに新天地を求め、27日(現地時間)に行なわれたグラナダ戦で70分に交代出場していきなり2ゴール1アシストをマークするという、ド派手なデビューを飾った。

 早くもファンの心を掴んだスアレスだが、当初、移籍先の最有力候補はセリエAのユベントスとされていた。事実、彼はイタリアに足を運び、同国の市民権を取得するための語学試験にも臨んでいる。

 最終的に、パスポート取得が間に合わずチャンピオンズ・リーグの選手登録ができないことを懸念したユベントスがローマのエディン・ゼコ、アトレティコのアルバロ・モラタにターゲットを切り替えたため(のちにモラタを獲得)、稀代の点取り屋のカルチョ参戦はなくなった。

 しかしこれで話は終わりではなく、イタリアでは、この語学試験において不正があったとして、ペルージャの検察局と財務警察が捜査を開始。関係者がスアレスに便宜を図り、事前に問題の内容を明かしたことなどが、盗聴記録によって明らかになっているという。
 
 さらには、この不正の背後には、スアレスの獲得を急ぎたいユベントスの存在があったという疑惑も生まれており、捜査の手がクラブにも及ぶ可能性がある。

 これに対し、ユベントスのスポーツディレクターであり、この件の関係者のひとりとされるファビオ・パラーティチは『Sky』の取材を受け、自身やクラブの潔白を訴えているという。

「我々に疑わしい点はない。スアレスをバルセロナから獲得できる可能性が生じたことを受けて、最大限の透明性を持って、ルールを尊重しながら行動してきた。我々はとても落ち着いている。事件については、私は判事ではないので分からない。事がどのように進んでいるのか、そして背景に誰がいるのか、もだ」

 ユベントスといえば、2000年代にゼネラルマネジャーだったルチアーノ・モッジの審判買収が発覚してスクデット剥奪、セリエB降格という処分を受けた大スキャンダル「カルチョポリ」があっただけに、多くの人々が今回の疑惑にも敏感となっているようだ。

 果たして、捜査がどのような結末を迎えるのかが気にかかるところだ。そして、ピルロ体制で新たなスタートを切ったばかりのチームへの影響も……。

構成●THE DIGEST編集部
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