海外サッカー

メッシ、今季途中に退団の可能性も?バルサが断行する給与削減に思わぬ落とし穴が…

THE DIGEST編集部

2020.10.09

バルサとの関係が悪化する一方のメッシ。今季途中にも移籍を決断する可能性がある。(C)Getty Images

 今夏、バルセロナからの退団を宣言して世界中を驚かせたリオネル・メッシ。その後、7億ユーロの契約解除金が支払われなければ退団は認められないとのクラブ、リーガの反論を受けて翻意し、残留を果たしたものの、首脳陣との関係は全く修復されていないといわれ、来季以降の去就が注目されている。

 競技面でもマーケティングにおいても重要な役割を担うスーパースターを失うという事態は避けられたバルサだが、財政面の問題は全く解決していない。そして先日、コロナ・パンデミックの影響による昨季の損失は、9700万ユーロ(約120億円)に上ることが明らかになった。

 移籍市場での補強失敗にも繋がった名門クラブの財政難。今年3月には中断中の選手の年俸を7割カットすることが話題となったが、さらにサラリーカットが必要となり、現在、バルサは法的手続きを始めている。そしてこれから、選手から代表者を選出して交渉を行なうことになるという。

 しかし法律では、金銭面の理由で契約に変更が生じる場合、雇用されている側は契約を破棄することが認められており、なおかつ雇用年数に20日分の給与額を掛け合わせた額を受け取ることができる。
 
 メッシの件では、契約内容を楯に彼の申し出を突っぱねることができたクラブだが、今度は逆に、法律によって窮地に追い込まれる可能性がある。選手の退団を避けるためには、さらに個々との話し合い・説得という難儀な仕事が待ち構えている。

 給与削減をめぐるやりとりもクラブに対する不信を募らせる原因となったメッシにとっては、再び心を乱される状況が訪れる可能性があり、それによってシーズン終了を待たずに、今度こそ長く過ごしたバルセロナの地を離れることもあり得る。

 夏には、恩師ジョセップ・グアルディオラが率いるマンチェスター・シティと具体的な交渉を行なったとされるメッシ。ビッグニュースは意外と早く、そして突然、世界を駆け巡るかもしれない。

構成●THE DIGEST