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海外サッカー

「違いを生み出した」南野拓実をリバプールOBが称賛!地元紙も「特別な役割をこなせる稀少な存在」と高く評価

THE DIGEST編集部

2020.10.23

南野はCLでのパフォーマンスで、フィルミーノの代役になれることを証明して見せた。(C)Getty Images

南野はCLでのパフォーマンスで、フィルミーノの代役になれることを証明して見せた。(C)Getty Images

 10月21日(現地時間)に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)、リバプールは敵地でアヤックスを1-0で下したが、後半途中から出場した南野拓実のパフォーマンスについては、多くのメディアが好評価を与えている。

 59分にモハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノの「フロントスリー」に代わり、ディオゴ・ジョッタ、ジェルダン・シャキリとともにピッチに立った25歳の日本人は、“偽9番”として精力的に動きながら、攻撃のビルドアップに絡み、また自ら惜しいシュートを放つなど、その存在感を示し続けた。

 ユルゲン・クロップ監督からも「機械のようだ。彼はピッチ上のどこにでも現われる」と絶賛された南野に対しては、クラブのOBもまた賛辞を送っている。リバプールの地元紙『Liverpool Echo』は、英公共放送「BBC」でこの試合の解説を務めたスティーブン・ウォーノックが南野に言及した部分をまとめて紹介した。

「南野が前線に入ったことによる違いは、明らかに分かるだろう。前半プレーしたフィルミーノよりも、南野は良かった。後半に見られたチームの良いプレーは、ボールを保持したり、繋いだりする彼の周囲で生まれた。

 南野の動きによって、中盤の高めの押し上げを可能にした。最終ラインも5~10ヤード高くなることで、相手のロングボールを防ぐことに繋がった。

 これでアヤックスの選手にはプレッシャーがかかり、簡単にプレーさせることや、パスを縦に繋ぐことを難しくさせた」
 
 元リバプールの生え抜き左SBは、チーム全体を活性化させる働きぶりを見せた南野をフィルミーノと比較したが、ここでも引き合いに出されたブラジル代表FWの今季の低調ぶりは、たびたび議論の種となっている。

 このウォーノックの言葉を紹介した『Liverpool Echo』もまた、フィルミーノのスタメン固定を疑問視するメディアのひとつで、「フロントスリーが並んでいない光景を見ることを、リバプール・ファンは長く恐れていたが、水曜日(21日)に我々は、未来を見ることができた」と22日付の記事で綴っている。

 これまでは、フロントスリーのひとりでも欠けた場合、チームのクオリティーが大幅に低下していたのが、アヤックス戦で後半途中から登場した3人は、フロントスリーと全く同等とは言わないものの、十分に代役となり得ることを証明したと、同メディアは主張する。

 南野については、現在の4-3-3よりも、4-2-3-1での2列目の方が、よりその力が活きると分析しているが、“偽9番”として攻撃のビルドアップやラストパス、フィニッシュにも絡み、さらにボールを失った場合は最初の守備者となる4-3-3の前線中央でも、彼の重要性は明らかだという。

「アムステルダム(アヤックス戦)で、南野はフィルミーノのポジションを引き継いでプレーしたが、これは非常に特別な役割であり、世界的にもこれをこなせる選手は多くない。南野自身も、苦労する場面はあったものの、それでもこのチームで成功する才能があるのは間違いなく、彼には最適のポジションでプレーする時間が必要だ」

 フィルミーノと南野をめぐる議論は熱を帯びる一方だが、CLで少なからず株を上げたであろう日本人は、バックアッパーの立場から抜け出し、フロントスリーと同じラインに並ぶことができるか。

​​​​​​​構成●THE DIGEST編集部

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