UAE１部のアル・アインは２月19日に同国ガルフ・リーグ第17節でアル・フジャイラを３-１で下し、昨年11月以来の２連勝を飾って首位アル・シャルージャとの勝点差を７に縮めた。

　現在４位のアル・アインは、下位チームと対戦したこのホームチームで、23分にロングパスを受けたカイオ・カネドが鮮やかな切り返しの連発でDFを次々にかわしてファインゴールを決めると、71分にはPKでコディオ・ラバが追加点、そして83分にもカネドがダメ押し弾を突き刺し、相手の反撃は１点にとどめた。

　そして、逆転優勝を狙う上でひとつも落とせない状況下、主導権を握り続けて快勝を収めたこの一戦で、今冬にポルトからレンタル移籍した中島翔哉がスタメン＆ホームデビューを果たしている。

　前節シャルージャ戦で交代出場からキレのあるプレーで決勝点にも絡んだ日本のアタッカーは、トップ下のポジションから持ち前の鋭いドリブルなどでチャンスを作り、自らもゴールを狙うなど、79分にベンチに退くまで十分な存在感を示した。
  　現地紙『Emaratalyoum』は、この試合のポイントとして、前述の通り首位との勝点差を減らして優勝争いに留まったこと、久々の連勝だったこと、２得点のカネドの輝き、そして調子の上がらないアンゴラ人FWのウィルソン・エドゥアルドが55分でペドロ・エマヌエル監督から交代を命じられたことに加え、中島の存在を挙げている。

「指揮官が抱えていたプレーメーカーに関する悩みは、中島の到来によって終わりを迎えた。この試合で技術的な能力の高さを披露した彼は、チームの戦法も攻守両面で変化させた。また彼によって、カネドらウイングプレーヤーは相手のマークから解放され、自由を与えられた」

　記事の最後で「鮮やかなプレーでチームの問題を解決した」と改めて称賛された中島。この試合、ホームスタジアムのバックスタンド中央には、「ようこそ中島」と日本語と英字で書かれた巨大な横断幕が掲げられていたが、入団会見時にP・エマヌエル監督が語ったように、まさに「待望の人材」だったということだ。

　わずか２試合目にしてチームの核にさえ君臨しつつある26歳のアタッカーは、すでに１対１の局面では“無双状態”にあるが、この先、チームメイトとの連係を高めることで、さらにその重要度と価値を増していくに違いない。

構成●THE DIGEST編集部

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