東京五輪の主力メンバーが集うU-24日本代表の一員として、3月26、29日のU-24アルゼンチン代表との対戦に向けて準備に余念がない久保建英。本番ではトップ下として、攻撃を司ることが期待されている。
代表ウィーク前の最後のラ・リーガの一戦となった28節エルチェ戦では、ヘタフェが怪我人、出場停止者の続出という非常事態に見舞われたこともあり、実に7試合ぶりのスタメン入り。60分にマークを物ともせずにクロスを通し、エネス・ウナルのゴールをアシストした他、幾つかの印象的なプレーで現地メディアからも高い評価を受けた。
1月にこのマドリードのチームへ加入し、18節エルチェ戦で練習なしのぶっつけ本番で2ゴールに絡むという鮮烈な新天地デビューを果たし、続くウエスカ戦でも違いを見せたものの、そこからは精彩を欠くようになり、交代要員に格下げとなって後半途中からの出場で時折見せ場を作るという状況が長く続き、27節の首位アトレティコ・マドリー戦では屈辱の出番なし。しかし翌節には前述のエルチェ戦で真価を発揮してみせた――。
この3か月弱の間で紆余曲折を経験した久保だが、それも元はと言えば、ビジャレアルで満足のいく出場機会を得られなかったことで、新たな環境を求めたことが発端である。そして、その状況を生み出したのは、「イエローサブマリン」の監督であるウナイ・エメリだった。
バスク出身の智将は、19歳の日本人については助っ人というよりも成長段階の有能な若者と捉え、ラ・リーガではベンチに置き、ヨーロッパリーグで先発出場させるという方針を採ってきた。そして、久保が欧州の舞台で輝きを放ち続けても、スタンスを変えることはなく、ついには彼との直接対話を経て、退団希望を受け入れることとなった。
多くの批判を受けても、最後まで方針を曲げなかった指揮官はこのたび、現地メディアのインタビューにおいて、久保とのやりとりを振り返るとともに、彼への思いを語っている(『Cadena SER』より)
「若者は日々のトレーニングによって、忍耐力を身につけ、進歩を遂げることができる。久保には、我々とともに成長し、同時にチームの成長を助ける必要があると、個別に話していた。彼はレンタルの選手であり、これは1年を通してのプロセスだった」
「久保は他の大多数の若い選手と比べれば、多くのプレー時間を得ていたのだが、彼は違う挑戦に臨むことを希望した。我々はシーズンの終わりを望む形で迎えることはできなかった。しかし、私は彼が良いキャリアを積むことを願っている。久保は素晴らしい選手だ。そして、彼が良いステップを踏み続けるものと確信している」
ヘタフェでの現状から、シーズン中の“編入”が果たして正しかったのか? と当時の久保の決断をネガティブに捉える声もあり、また現在はホセ・ボルダラス監督の下で苦闘している久保が、もしビジャレアルに残留していたらどうなっていたか? と思いを巡らす者も少なくないようだ……。いずれにせよ、久保はその力で状況を打破し、かつての恩師の“エール”に応えることができるか!?
構成●THE DIGEST編集部
【動画】コロンビア代表DFを翻弄! 久保建英がマークした絶妙の今季初アシスト(4分25秒~)
代表ウィーク前の最後のラ・リーガの一戦となった28節エルチェ戦では、ヘタフェが怪我人、出場停止者の続出という非常事態に見舞われたこともあり、実に7試合ぶりのスタメン入り。60分にマークを物ともせずにクロスを通し、エネス・ウナルのゴールをアシストした他、幾つかの印象的なプレーで現地メディアからも高い評価を受けた。
1月にこのマドリードのチームへ加入し、18節エルチェ戦で練習なしのぶっつけ本番で2ゴールに絡むという鮮烈な新天地デビューを果たし、続くウエスカ戦でも違いを見せたものの、そこからは精彩を欠くようになり、交代要員に格下げとなって後半途中からの出場で時折見せ場を作るという状況が長く続き、27節の首位アトレティコ・マドリー戦では屈辱の出番なし。しかし翌節には前述のエルチェ戦で真価を発揮してみせた――。
この3か月弱の間で紆余曲折を経験した久保だが、それも元はと言えば、ビジャレアルで満足のいく出場機会を得られなかったことで、新たな環境を求めたことが発端である。そして、その状況を生み出したのは、「イエローサブマリン」の監督であるウナイ・エメリだった。
バスク出身の智将は、19歳の日本人については助っ人というよりも成長段階の有能な若者と捉え、ラ・リーガではベンチに置き、ヨーロッパリーグで先発出場させるという方針を採ってきた。そして、久保が欧州の舞台で輝きを放ち続けても、スタンスを変えることはなく、ついには彼との直接対話を経て、退団希望を受け入れることとなった。
多くの批判を受けても、最後まで方針を曲げなかった指揮官はこのたび、現地メディアのインタビューにおいて、久保とのやりとりを振り返るとともに、彼への思いを語っている(『Cadena SER』より)
「若者は日々のトレーニングによって、忍耐力を身につけ、進歩を遂げることができる。久保には、我々とともに成長し、同時にチームの成長を助ける必要があると、個別に話していた。彼はレンタルの選手であり、これは1年を通してのプロセスだった」
「久保は他の大多数の若い選手と比べれば、多くのプレー時間を得ていたのだが、彼は違う挑戦に臨むことを希望した。我々はシーズンの終わりを望む形で迎えることはできなかった。しかし、私は彼が良いキャリアを積むことを願っている。久保は素晴らしい選手だ。そして、彼が良いステップを踏み続けるものと確信している」
ヘタフェでの現状から、シーズン中の“編入”が果たして正しかったのか? と当時の久保の決断をネガティブに捉える声もあり、また現在はホセ・ボルダラス監督の下で苦闘している久保が、もしビジャレアルに残留していたらどうなっていたか? と思いを巡らす者も少なくないようだ……。いずれにせよ、久保はその力で状況を打破し、かつての恩師の“エール”に応えることができるか!?
構成●THE DIGEST編集部
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