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「スタメン入りは驚きだった」南野拓実の守備的プレーに評価は二分!「良いパーツのひとつ」と語る指揮官の判断は?

THE DIGEST編集部

2021.05.03

守備に奔走した南野パフォーマンスは一定の評価を得ているが、やはり攻撃面で貢献できなければ状況は苦しくなるだろう。(C)Getty Images

 現地時間4月30日、サウサンプトンはプレミアリーグ第34節でレスターと1-1で引き分け、リーグ戦では3試合ぶり、公式戦では4試合ぶりに勝点を獲得した。

 FAカップ準決勝で苦杯をなめた相手を本拠地セント・メリーズに迎えたセインツは、開始10分にCBヤニク・ヴェステルゴーが決定機阻止で一発退場となり、残り80分間で数的不利を背負うことになったが、61分にジェームズ・ウォード=ブラウズのPKで先制。直後に追いつかれるも、その後は相手の猛攻をしのいだ。

 残留争いの上で貴重な勝点1を強敵相手に奪ってみせたこの一戦、南野拓実がリーグ戦4試合ぶりの出場をスタメンで飾った。28節ブライトン戦以来、実に1か月半ぶりにセインツのユニホームを身に纏ってピッチに立った26歳のアタッカーだったが、76分間のプレーに対する評価は、真っ二つに分かれることとなった。

 前述の退場劇により、守勢に立たされることになったチームの中で、南野は守備に奔走。これに対し、現地メディア『Hampshire Live』は「リバプールからのレンタル選手は、3月13日以来、ピッチに戻って来た。攻撃面でボールに触れることはほとんどなかったが、改善に向けて非常に努力している守備では良い働きを見せた」とポジティブに評している。

 一方、サウサンプトンの専門メディア『SAINTS MARCHING』は「ここ数週間の序列低下を見ると、スタメン入りは驚きだった」と綴った後、「自身の強みは出せなかったものの、他のチームメイト同様にハードワークした。彼に対する懸念は、この先、もっと出場時間が伸びなければ、約束されていたものを出さないまま、レンタル期間が終了してしまうかもしれないということだ」と、こちらも皮肉交じりではあるものの、ある程度は好意的な見方だった。
 
 しかし、サッカー専門メディア『90min』は「守備でも十分な働きができず、サウサンプトンが前に出た数少ない場面でも対応は不十分だった。そのせいで、ジャック・スティーブンスは2人分の仕事をしなければならなかった」と酷評している。

 このような厳しい見方はファンの中にも多く、英国の専門メディア『TRANSFER TAVERN』の「ファンが南野をこき下ろす」と題された記事では、パス成功率58%、デュエル勝利数11回中3回に終わった日本人選手への「酷いプレーだった」「南野は今、チームに何も提供できない」「才能はあるが、ボールを持たない時の動きは衝撃的ですらある。ユルゲン・クロップがレンタルに出したのも当然だ」などと紹介されている。

 ハーゼンヒュットル監督は先日、南野の今後についてリバプールと会談を持ったことを明かし、また残りシーズンで「チームにとって良いパーツのひとつであり、プロフェッショナルであり、また良いメンタリティーとキャラクターが彼にはある。シーズンの最後まで、彼にはより多くのチャンスがあるはずだ」と『Hampshire Live』に語っている。このレスター戦が指揮官の判断、そして南野の今後にいかなる影響を与えるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】内田篤人が分析した南野拓実のサウサンプトンのファインプレーシーン