日本代表

マルディーニSDも賛成!ミラニスタが「エリクセンを救ったヒーロー」ケアの来季キャプテン就任を求める

THE DIGEST編集部

2021.06.17

同僚のシュマイケルは「信じられないほどの人格者だから」とケアを評した。(C)Getty Images

 6月12日(現地時間)に行なわれたEURO2020のグループリーグ、デンマーク対フィンランド戦で、前者のゲームメイカーを務めるクリスティアン・エリクセンが突如ピッチに昏倒し、心臓マッサージを受けて病院に緊急搬送された一件は、サッカー界に大きな衝撃を与えた。

 その後、彼の容態は安定し、SNSを通して世界に向けて感謝のメッセージを投稿するなど、ひとまず落ち着いた状況となったものの、まだ原因は明らかにされておらず、彼のキャリアの今後がどうなるかにも注目が集まっている。

 このようなアクシデントの中、正常でないはずの精神状態で直後の試合を戦い抜いたデンマークの選手に対しては多くの称賛の声が寄せられているが、なかでも倒れたエリクセンに適切な処置を行なうとともに、ピッチに飛び出してきた彼の妻に対して気遣いを見せたキャプテンのシモン・ケアは、世界中から「エリクセンを救ったヒーロー」として崇められるまでになっている。

 試合翌日にエリクセンを病院に見舞い、「彼の笑顔が見られて良かった」と語った32歳のキャプテンについて、「彼の今回の行動には、何も驚きはない。ケアは信じられないほどの人格者だから」と語ったGKキャスパー・シュマイケルは、さらに「彼が我々のキャプテンであることを誇りに思う」と続けたが、この思いを持っているのは、ケアが所属するミランのファンも同様だった。
 
 この一件の後から、SNSでは「#KjaerCapitano」というハッシュタグが増加。これは「ケアをキャプテンに」という意味で、セビージャからのレンタル移籍期間を経て昨夏より正式にロッソネロの一員となったCBに対し、来季よりキャプテンマークを腕に巻くことをミラニスタが訴えたのである。

 ミランのキャプテンは現在、アレッシオ・ロマニョーリが務めているが、一昨季まで不可欠だった最終ラインのリーダーは、怪我もあって昨季は出遅れてしまい、さらにレンタルで加入したフィカヨ・トモリにポジションを奪われるなど存在感が薄くなり、移籍の噂もまことしやかに流れている。また、22歳の若さながら、ミランの希望としてこれまでロマニョーリ不在時にはキャプテンマークを腕に巻いていた守護神ジャンルイジ・ドンナルンマも、ミランを去ることとなった。

 こうして、来季のキャプテン候補は"驚異の39歳"ズラタン・イブラヒモビッチを筆頭に、フランク・ケシエ、ダビデ・カラブリアがこれに続くと思われていたが、ファンの声がミラン首脳陣の判断に影響を与える可能性があるとイタリア国内外の複数メディアが報道。ミランのレジェンドであり、現在はスポーツディレクターを務めるパオロ・マルディーニも、ケアのキャプテン就任というアイデアを支持しているという。

 昨季、ミランの最終ラインを守り続け、終盤戦ではトモリと見事な連係を見せ、「2人がいればGKはいらない」とメディアから報じられたほどの安定感を誇ったケアは、来る新シーズン、久々にチャンピオンズ・リーグの舞台に立つミランを精神面でもリードすることになるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部