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「獲得間近の報からもう1か月」冨安健洋の移籍交渉に“手間取る”トッテナムにファンも苛立ち!? 専門メディアは“加入後”に思いを馳せる

THE DIGEST編集部

2021.07.21

冨安のステップアップ移籍は間違いない状況だが、その行き先はまだ決まっていない。(C)Getty Images

 プレミアリーグの名門トッテナムからのオファーを受け、連日、移籍間近と報じられているボローニャの冨安健洋だが、交渉成立の報はいまだ届かない。

 トッテナムは冨安獲得のために総額で2000万ユーロ(約26億円)を提示しているが、まだボローニャの希望額とは200~300万ユーロ(約2億6000万円~3億9000万円)の差額があるという。

 ボローニャは、クラウディオ・フェヌッチCEOが「トミは東京オリンピックで活躍するだろう。彼は現在、我々の選手であり、これからもそうあってほしい。ただ、もし彼がプレミアリーグに行きたいという意志を表明し、トッテナムが我々の要求を尊重するのならば、それを受け入れる考えがある。そこで得た移籍金は、再び市場に投資することが可能となる」(『CalcioMercato.com』より)と語っており、わずかな差額といえども、譲る気はなさそうだ。

 トッテナムの専門メディア『THE BOY HOTSPUR』は、冨安獲得のライバルでもあるアタランタから、マンチェスター・ユナイテッドのユースチームで3年間を過ごした経験を持つ26歳のイタリア代表GKピエルルイジ・ゴッリーニの獲得に迫っていると報じた記事の中で、「冨安については、新しいニュースはない。スパーズが希望額を提示するのを、ボローニャが待っているということだけだ」と報じている。
 
 この停滞した状況に、一部のトッテナム・ファンは痺れを切らしているようだと、専門メディアの『THE BOOT ROOM』は報じており、「何て恥ずかしいクラブなんだ。2200万ユーロ(約28億6000万円)程度の移籍をまとめるのに、こんなに時間がかかるとは……」「昔から同じことの繰り返し」「獲得間近といわれてからもう1か月」「4週間経って、まだ金額で同意できないなんて……」といったSNSでの彼らの声を紹介した。

 とはいえ、遅かれ早かれ22歳の日本人DFのトッテナム入りは実現すると見ている現地メディアは多く、英国の専門サイト『90min』は「ほぼ完璧なDF」である冨安が加入することで、北ロンドンのクラブにどれだけのメリットがあるかを検証している。

 守備者としては、CBと右SBとして高いレベルを誇り、空中戦にも強く、ピッチの幅広いスペースをカバーでき、前後への適切なタイミングでの動きで相手の攻撃に対応する他、相手ウイングを大いに苦しめる彼は、攻撃面でもセットプレーで存在感を示すだけでなく、タイミングの良いオーバーラップ、ドリブルでの侵攻、遠目からのシュートなどでも、相手を脅かすことができるという。

 フィジカル面でもう少し強化が必要としながらも、「ヌーノ・エスピリト・サント監督が必要とする戦力であり、彼が採用する3-5-2システムで完璧に機能するだけでなく、周囲の選手の力をも最大限に引き出せる。まだキャリアの初期段階にあるが、真のリーダーに成長する兆候を示している」と、同メディアは冨安を絶賛し、トッテナムでのキャリアが明るいものになると予想した。

 ボローニャは本当に彼を手放すのか? いつトッテナム入りが決定するのか? あるいは新たなライバルとの争奪戦が再び展開されるのか? 様々な興味が冨安には付きまとうが、それらの答えは間もなく出されることになる。

構成●THE DIGEST編集部