日本代表

「日本は素晴らしいわけではなかった」カナダはなでしこジャパン相手のドローに不満げ【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.07.23

岩渕のゴールで勝点1を確保した日本。次はイギリスと対戦する。(C)Getty Images

 なでしこジャパンの東京五輪開幕戦は、カナダ代表を相手に1−1のドローに終わった。

 世界ランクでいえば、10位の日本が格上である8位のカナダに挑む形となったこの試合。6分にクリスティアン・シンクレアのゴールでカナダがいきなり先制すると、対する日本はなかなかペースを掴めず。ビルドアップに苦労し、PK獲得のチャンスも生かせない。しかし、終盤に入ってゲームは動く。万事休したかに思われた84分、長谷川唯の正確なロングフィードに抜け出した岩渕真奈が、器用にダイレクトで値千金の同点ゴールを流し込んだのだ。日本はギリギリのところで勝点1をもぎ取った。

 カナダからすれば、勝つべき試合だったといえるだろう。カナダメディアは、この引き分けを不満げに報じている。

 日刊紙『TORONTO STAR』は、「1つのディフェンスのミスが、高い代償を要求することを証明した」と綴り、失点シーンを悔やんだ。

「確かに日本は、後半はるかに強くプレッシャーをかけてきていた。とはいえ、日本の得点は、試合の流れとは逆の同点ゴールだった。必要だったカナダの2点目が入ることはなかった」

 また公共放送局『CBC』も、「カナダは長時間のポゼッションと、バランスの取れたプレーを快適に楽しんでいた」と試合を振り返り、あと少しのところで勝点2を失ったことへのショックをあらわにしている。

「普通なら、開幕戦でのホスト国との引き分けは喜ばれるべきで、価値ある勝点1とみなされるだろう。ただ、カナダの女子代表の場合は別だ」
 
 元カナダ女子代表のクレア・ルスタッドも、「今日の日本は決して素晴らしいわけではなかった」と指摘。その一方で、日本のゴールを称賛し、ファイナルサードで「もっともっと攻撃的な鋭いプレーをするべきだった」カナダにとって、見習うべきポイントがあったと解説している。

「彼女たちのゴールには、両チームが必要としているプレーの、何か象徴のようなものが含まれていた。それは、ストライカーとして積極的にスペースを探し、相手CBが自分のマークをはっきりさせることを困難にし、小さなスペースを見つけて背後に侵入する、ということだ」

 最高の滑り出しとはならなかったなでしこジャパンだが、次の試合はもう7月24日に迫っている。相手は2019W杯4位のイングランド代表を中心に構成された、難敵イギリスだ。苦しい試合で得た勝点が、後々効いてくることもある。この引き分けを前向きに捉え、目標のメダル獲得に向かって調子を上げていくことが必要だ。

構成●THE DIGEST編集部