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歴史的な大金星! モルドバの絶対王者シェリフの快進撃に世界が驚嘆「マドリーが史上最大の混乱の犠牲者に」

THE DIGEST編集部

2021.09.29

まさかの黒星に思わずうなだれるモドリッチ(右)。このクロアチアの天才MFをはじめとしたスペインのスター軍団に屈辱を味合わせたのは、シェリフの鋭利なカウンターだった。(C)Getty Images

 文字通りの大金星だ。

 現地時間9月28日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)のグループステージ第2節(D組)で、モルドバ王者のシェリフ・ティラスポリはレアル・マドリーと敵地で対戦。2‐1でこの大一番で制した。

 試合は劇的な形で決した。25分にジャスールベク・ヤフシボエフのゴールで先手を取ったシェリフは、65分にカリム・ベンゼマのPK弾で追いつかれるも、試合終了間際の89分にエリア外からセバスティアン・ティルが左足一閃。強烈なミドルシュートを相手ゴールにねじ込んで勝ち越した。

 開幕前の下馬評を覆してグループ首位に浮上した。その堂々のパフォーマンスは、周囲を驚かせている。スペイン紙『AS』は、「シェリフにとっては英雄的な試合だ。マドリーはまるで昼寝中のような状態で試合を始め、チャンス(シュート31本)を逃し続け、恥ずかしい結果に終わった」と糾弾。また、米放送局『ESPN』は、「マドリーは史上最大の混乱の犠牲者になった」と報じた。
 
 もっとも全く実力がなかったわけではない。モルドバからの独立を主張する沿ドニエストル共和国の首都でもあるティラスポリに拠点を構えるシェリフは、国内リーグは10連覇中の絶対王者だ。2位に勝点16差をつけて優勝した昨シーズンは、116得点・7失点という圧倒的な力強さを見せつけている。

 とはいえ、マドリー撃破はやはり衝撃的だ。試合後には、指揮官のユーリ・ヴェルニドゥブも「とても感情が溢れている」と感慨深げに語った。

「誰もが『CLに参加するべきではない』と我々を批判していた。でも、我々はこうした勝利に値すると思う。守備がしっかりしていることはよく理解していたし、マドリーに対してカウンターも上手くいった。そして最後にあんなにも重要なゴールを決めることができた。本当に嬉しい。チームと選手たちをとても誇りに思う。我々はこれからも続けていきたい」

 台風の目になりつつあるシェリフ。「いまは一歩一歩前に進んでいく。グループ最後の試合をするときに、真価が問われるだろう」と語るヴェルニドゥブ監督の下、彼らの躍進はどこまで続くだろうか。

構成●THE DIGEST編集部
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