海外サッカー

「彼の邪魔さえなければもっと勝てた」中国識者がカンナバーロの突然の退任に怒り心頭!「なんの遺産も残してない」

THE DIGEST編集部

2021.09.30

イタリア屈指の守備者として名を馳せたカンナバーロ。だが、アジアでの指導者キャリアは決して輝かしいものではなかった。(C)Getty Images

 中国の名門が決意した監督人事が物議を醸している。

 9月28日、広州FC(昨季まで広州恒大)は、元イタリア代表DFであるファビオ・カンナバーロ監督との契約を解消。2014年11月に始まった第1次政権下を含めて6年に及んだ長期政権が終幕を迎えた。

 カンナバーロとは23年シーズンまでの契約を締結していた広州FCだが、オーナーグループである「恒大集団」の経営破綻によって状況が一変。最大で1億2000万元(約20億5000万円)の給与の負荷は大きく、双方合意の下での決別を決断した。

 今回の人事に対してカンナバーロは母国の複数メディアで「私は大きな犠牲を払ってイタリアに戻ることにした。私がここ(イタリア)に戻ったのは、広州恒大の危機のせいではなく、個人的な選択だ」と説明。退任の理由はあくまで経営難と無関係だと主張した。

 しかし、苦境でチームを去る元イタリア代表DFに対する中国内での風当たりは強まる一方だ。国内の人気コメンテーターのひとりであるユア・ジアン氏は中国版ツイッター『Weibo』で、辛辣な意見を寄せた。
 
「カンナバーロは本当に格がない。中国サッカーに携わるようになってからそう感じてきたのは私だけかもしれないが、この意見はずっと変わっていないよ。カンナバーロの邪魔さえなければ、このグループと選手たちはもっと勝利を挙げ、より良い結果を手にするはずだった」

 さらに「クラブの黄金期はとうに過ぎた。恒大集団は倒壊し、解散はしないまでも苦しい中にいる」と広州FCの現状を憂うユア・ジアン氏は、48歳のレジェンドに対する批判をさらに続ける。

「カンナバーロは多くのタレントたちの10倍、いや100倍の給料を得ていたことを除けば、中国サッカー界になんの遺産を残さなかった。我が国のサッカーは、これまでも多くの回り道をしてきているが、いまだに正しい道を見つけられていない」

 19年に国内リーグ優勝を果たしたカンナバーロ。だが、その別れ方はあまりにあっけなく、心証が悪いものとなったようだ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】これぞ守備の美学。カテナチオの体現者となったカンナバーロの現役時代のプレー集
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