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久保建英、アトレティコ戦の「特別なゴール」の真相を明かす。地元メディアは「透き通った心の持ち主」と人間性を称賛

THE DIGEST編集部

2021.12.09

復帰2戦目で結果を出した久保。今後さらに調子を上げていきそうだ。(C)Getty Images

 ラ・リーガ第16節の強豪アトレティコ・マドリーとのアウェーマッチで、驚きの逆転勝利を飾り、7試合まで達していた連続未勝利を阻止したマジョルカ。この試合、1-1で迎えた後半アディショナルタイムに殊勲の決勝ゴールを挙げたのは、9月の右膝負傷からようやく復帰し、2戦目を迎えたばかりの久保建英だった。

 74分から交代出場していた20歳のMFは、アンヘルの縦パスを呼び込んで相手DFラインの裏側に抜け出すと、ドリブルで相手ゴールに突き進み、GKヤン・オブラクとの1対1では冷静に相手の動きを見極め、股間を抜くシュートを放って、沈黙する敵地ワンダ・メトロポリターノで喜びの咆哮を轟かせた。

 しかし、試合後の彼のコメントからは、見た目とはやや異なる事実が明らかに。シュートの瞬間、彼は「ボールを置き去りにするヘマをした」ことでコースを自ら狭めてしまい、本来であればゴール左隅を狙うところを、枠を捉えるために股間を抜くしかなくなったのだ(ラジオ局『Cadena COPE』より)。
 
「(DFラインの裏へ)僕が走り始めた時、アトレティコの選手が何人かついて来るのが見えましたが、オフサイドにかけるためか、彼らは止まりました。それで単独で抜け出してドリブルで進むと、オブラクの守るゴールがどんどん大きく見えてきて、緊張してしまいました。ここでボールを置き去りにするヘマを犯し、(足下にボールが入り過ぎた結果)もしオブラクのどちらかの脇を狙うと、シュートが枠を外れてしまうと考え、股間を通すことに賭け、うまくいきました」

 負傷からの長い治療とリハビリを経ての今季初ゴールには、「嬉しいです。これまで、怪我のためにチームの役に立てずにいました。それでも、チームは僕のことを気にかけ、非常に大切に扱ってくれました。そしてチームメイトたちも、僕を励ましてくれました。困難な時期にあった時、夢を見るのは無料なので、僕は復帰してゴールを決めたり、多くの良いアシストを決めたりすることを想像していました」と喜びを示すとともに、周囲の人々への感謝も表わしている。