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海外サッカー

40年前の“英雄”たちが提言! 「奇跡の世界一」を成し遂げた選手たちは暗黒期の現アッズーリに何を想うのか?

THE DIGEST編集部

2022.06.21

北マケドニアに敗れ、カタールW杯への出場権を失った今のイタリア。そんなチームに栄光を知るレジェンドたちが提言した。(C)Getty Images

北マケドニアに敗れ、カタールW杯への出場権を失った今のイタリア。そんなチームに栄光を知るレジェンドたちが提言した。(C)Getty Images

 6月20日から3日間、イタリアでは全国の107の映画館で『Il Viaggio degli Eroi(英雄の旅)』というタイトルの映画が上映されている。

 これは、1982年スペイン・ワールドカップに3度目の世界制覇を果たしたイタリア代表を追ったドキュメンタリー映画であり、映画監督、脚本家、編集者として活動するマンリオ・カスターニャが製作総指揮、俳優兼テレビ司会者のマルコ・ジャッリーニがナレーションを務めている。

 スペインW杯での「アズーリ」といえば、イタリア・サッカー界を暗黒の闇に包んだ「トトネロ」と呼ばれる八百長事件の2年後。さらに事件に関与したとして2年にもおよぶ長期欠場を強いられたストライカーのパオロ・ロッシは1か月前にピッチに戻って来たばかりで、またチームも良い状態とは言い難く、国民の期待も決して高くないまま本大会を迎えていた。

 迎えた1次リーグでは、ポーランド(0-0)、ペルー(1-1)、カメルーン(1-1)に3戦全て引き分け、カメルーンとは総得点でわずか1差上回っての2次リーグ進出という体たらく……。パイプがトレードマークのエンツォ・ベアルツォット監督と40歳のキャプテン、ディノ・ゾフだけが代表で取材と受けるという当時のメディアとの関係の悪さもあって、チームは国中から大バッシングに遭った。
 
 これに加え、2次リーグでは前回王者でスーパースター候補のディエゴ・マラドーナを擁するアルゼンチン、ジーコ、ソクラテス、ファルカン、トニーニョ・セレーゾの「黄金の中盤」で世界を魅了していた、大会ナンバーワンの実力を誇るブラジルとの「死のグループ」に組み込まれ、もはや敗退は必至と思われていた。

 ところが、クラウディオ・ジェンティーレのファウル覚悟の徹底マークでマラドーナを封じ、鋭いカウンターで前回王者を2-1で下す。さらにブラジル相手には試合巧者ぶりを発揮し、また指揮官からの信頼を受けてレギュラーとして起用され続けるも結果を残せずに批判の矢面に立たされていたロッシが、突如復活のハットトリックを達成。今なお語り継がれるスペクタクルな試合の末に3-2で勝利を飾り、この大激戦区を勝ち抜いたのだ。

「ゴールを奪うことがこんなに簡単なことだと忘れていた」と語って完全覚醒したロッシは、準決勝のポーランド戦(2-0)でも2点を挙げて勝利の立役者となり、西ドイツ(当時)との決勝でも先制点をゲット。イタリアはマルコ・タルデッリの印象的な2点目を含む2ゴールを加えて3-1で勝利し、サンチャゴ・ベルナベウの夜空に黄金のトロフィーを掲げた。そしてロッシは、6得点で大会得点王&大会MVPのダブルクラウンに輝いた。

 イタリアは戦前の2回、そして2006年ドイツ大会でもW杯優勝を飾ったが、それと比べても、このスペインでの「奇跡の世界一」は最も大きな至上の喜びを国民に与えたといわれており、国全土で三色旗が振られるなか、それまで批判を受け続けた選手たちは、一躍英雄として凱旋したのである。
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