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海外サッカー

「もう僕らを嫌いにならないで」元韓国代表アン・ジョンファン、“遺恨”のイタリア戦が理由で解雇!? 20年前の日韓W杯を回想

THE DIGEST編集部

2022.06.19

日韓W杯で史上初のベスト4入りという快進撃を見せた韓国代表。そんなチームのエースとして君臨したアン・ジョンファンが、当時を振り返った。(C)Getty Images

日韓W杯で史上初のベスト4入りという快進撃を見せた韓国代表。そんなチームのエースとして君臨したアン・ジョンファンが、当時を振り返った。(C)Getty Images

 世界に波紋を広げた一戦に対する想いを“当事者”が語った。

 現地時間6月18日、元韓国代表FWアン・ジョンファンは、自らも出場した2002年の日韓ワールドカップのイタリア戦(決勝トーナメント1回戦)に関して、日刊紙『Gazzetta dello sport』のインタビューで回顧した。

 サッカー史に残る一戦となった。自国開催となった韓国は、オランダ人の智将フース・ヒディンクに導かれ、パク・チソンやアン・ジョンファン、ユ・サンチョル、ホン・ミョンボなど歴代屈指とも言われるタレントたちが機能。難敵ポルトガルと同居したグループリーグを首位通過すると、決勝トーナメントの1回戦で激突したのが、アッズーリ(イタリア代表の愛称)だった。

 このイタリア戦では、数々の判定が問題となった。とくにペナルティーエリア内で倒されたフランチェスコ・トッティがバイロン・モレノ主審によってシミュレーションの判定で退場を命じられたほか、ダミアーノ・トンマージのゴールデンゴールが取り消された判定は、大きな議論を呼んだ。

 イタリア国民の怒りを買い、波紋を広げたこの試合で、韓国に勝利をもたらす値千金の決勝弾を決めたアン・ジョンファン。彼はこれまでもあらゆるメディアで、当時の想いを語ってきたが、約20年の時が経ち、あらためて振り返っている。
 
「あの試合では地獄から天国を同時に味わった。自分にとっても、韓国にとっても、特別な試合だったんだ。誰も僕らがイタリアを破るとは思っていなかったからね。人々はレフェリーのジャッジを話題にするが、もっと僕らの試合に向けた準備やプレーに目を向けてほしい。ヒディンク監督がフィジカル的にもメンタル的にも強いチームにしてくれたから、僕らは誰のことも恐れていなかった。

 それに僕らは常にレフェリーの判定を尊重してきた。それは最終的なものであり、取り消すことはできない。モレノはミスを犯したかもしれないが、VARなしでは全ての笛が問題だったよ。もし、だから、自分たちにとって痛い結果になったとしても、全てを受け入れたと思う」

 さらに「僕らはイタリア戦のために全選手を細かく分析していたんだ」と強調したアン・ジョンファンは、大会後に当時所属していたペルージャを強制的に退団されたと告白。カルチョでも指折りの名物会長だったルチアーノ・ガウッチ氏から「もう君に給料は払わない。あのゴールデンゴールでイタリア・サッカーを台無しにしたんだ」と言われたという韓国のレジェンドは、こう続けている。

「色んなことがあったけど、後悔はしていない。いま、僕が全てのイタリア人に言いたいのは、もうこれ以上、僕らのことを嫌いにならないで欲しいということだ。韓国人選手として、国のために戦っただけだ。誰かを痛めつけたかったわけではないんだよ。イタリアで自分はとてもうまくやっていたし、誰よりもハードワークをしていた。あの試合でのゴールは、ファンの信頼に応えたかっただけだ」

 20年の時を経て、強い言葉とともに自らの想いを打ち明けたアン・ジョンファン。韓国代表が誇るレジェンドの赤裸々なメッセージを、イタリアの人々はどう受け取るだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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