まさに“紙一重”と言えるプレーだった。それだけに異論が噴出している。

　現地時間12月１日、日本代表はカタール・ワールドカップのグループEの最終戦でスペイン代表と対戦し、２-１の逆転勝利。初戦のドイツ戦に続く大金星を飾って、首位での決勝トーナメント進出を決めた。

　世界を熱狂させた大一番で、試合後に小さくない波紋を広げたのは、後半に訪れた日本の逆転シーンだ。堂安律の同点ゴールが決まってから約３分後、スペインのペースを乱した日本は一気呵成に攻め立てた。

　そして、右サイドの堂安が敵エリア内にクロスを供給。これはファーサイドに流れるも、ゴールラインぎりぎりで、足を目いっぱいに伸ばした三笘がゴール前に折り返す。これをフリーとなっていた田中が頭でねじ込んだ。

　クローズアップされているのは、アシストをした三笘が中央へ折り返した際のボールの位置がゴールラインを割っていたかどうかだ。
  　得点直後にスペイン側の抗議もあって、VARによるチェックがなされたが、主審の判定は変わらず。しかし、テレビ中継などで問題の場面を側面から捉えたリプレイ映像では、ボールがラインを越える瞬間が映し出されたために、ジャッジに対するさまざまな意見が噴出するに至った。

　かつてリバプールなどでプレーした元スコットランド代表FWのグレアム・スーネス氏は、英放送局『ITV』の解説で「ボールがラインを割っていなかったという決定的な証拠を示さない限り、何か不都合なことが起こっているのだと言われるだろうね」と指摘。さらに次のように淡々と分析した。

「いま、サッカーを愛する8000万人のドイツ人たちが、ゴールラインをボールが越えていたと示す写真を見せて、怒り狂っているんだ。なぜFIFAはこの混乱をすぐに収めようとしないのかが理解できない。一体審判団はどの映像を見て、あのジャッジを下したのだろうか。我々の為にも明確にすべきだと思う」

　日本とドイツ、そしてスペインの運命を変えたシーン。ゆえに各国メディアや識者間での判定を巡る議論の熱量は増すばかりだ。

構成●THE DIGEST編集部

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