ポルトガル代表の偉才の言動が波紋を呼んでいる。現地時間12月２日に行なわれた韓国代表とのカタール・ワールドカップのグループH最終戦での出来事だ。

　互いに１点ずつを奪い合ったタイスコアで迎えた65分だった。交代を命じられたポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドが、相手FWのチョ・ギュソンを険しい表情で睨みつける。そして、指を自らの口元にやって「黙れ」という仕草を見せたのだ。

　ポルトガル紙『A Bola』によれば、ベンチに帰ってからも仲間にいさめられるほど「相当に苛立っていた」というC・ロナウドは、試合後には、「何が起こったのかを言おう。僕が交代する直前だ。韓国の選手が『早く出ていけ！』と言っていたから、『黙ってろ。それはお前に言われる筋合いはない』と言ったんだよ」とチョ・ギュソンとのやり取りを説明した。

　さらに「彼がとやかく言う必要はない」とも語ったC・ロナウド。しかし、91分にファン・ヒチャンの劇的な逆転弾で韓国に敗れた結果、さらに自身のプレー内容もあって、ポルトガルの大黒柱が苛立っていたのは明らかだった。
  　そんな稀代の天才が見せた言動に韓国メディアも黙っていなかった。日刊紙『国民日報』は「ロナウドが迷惑にもイライラしていたのは、チョ・ギュソンのせいだった」と一連の顛末を説明。韓国代表戦士たちの気持ちを慮った。

「交代を指示されたロナウドはかなりゆっくりと時間をかけて歩き出した。すでに16強進出への切符を手にしていたポルトガルにとっては、焦る状況ではなかったからだ。しかし、韓国は違った。引き分けでは意味がなく、勝利が必要だった。そして、１分１秒をかみしめるように歩くロナウドに食い下がったのが、チョ・ギュソンであった。彼はチームの勝利のために『早く出て行け』と合図し、迅速な交代を要求しただけだった」

　また、韓国の日刊紙『毎日新聞』は、英公共放送『BBC』の試合採点において、C・ロナウドが「3.77」と最低評価だったと紹介。そのうえで「この試合のロナウドはチョ・ギュソンに悪口を言ったことを含めて、プレーも、マナーも最悪だった」と糾弾。さらに試合後の取材エリアでも苛立っていた様子も伝え、「最後の最後までなってない姿を見せた」と報じた。

　C・ロナウドといえば、ユベントスに在籍していた2019年の夏に行なわれた韓国遠征で、プレーしなかったために、現地のファンの反感を買っていた過去がある。そうした遺恨もあり、当人が「試合中にヒートアップしただけのこと」と語った今回の騒動も、韓国国内では余波が広まっているようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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