文字通りの死闘だった。

　現地時間12月５日、日本代表はカタール・ワールドカップ（W杯）の決勝トーナメント１回戦でクロアチア代表と対戦し、１-１で迎えたPK戦（１-３）の末に敗戦。史上初のベスト８進出とはならなかった。

　バルカンの強国との一戦は、試合前の予想通りに日本がキックオフ直後からボール支配で圧倒される。それでも決定機での相手の判断ミスにも救われる形で、なんとかスコアレスで進行すると、43分にCKの流れから前田大然が先制点をゲットする。

　今大会初めて先行した日本だが、55分にはイバン・ペリシッチに同点のヘディングシュートを決められてしまう。その後に疲労の色が濃くなっていくなかで集中力を失わずに均衡状態を保った両チームは、延長戦を含めた120分を戦い抜き、勝負はPK戦に。

　先行の日本は１人目の南野拓実、２人目の三笘薫が立て続けに相手守護神ドミニク・リバコビッチにストップされてしまう。一方のクロアチアは３人目のマルコ・リバヤが失敗したものの、直後の日本の４人目である吉田麻也のキックを三度リバコビッチが食い止めると、最後はマリオ・パシャリッチが決めて勝利した。

　日本は惜しくも敗れたが、前回大会準優勝国のクロアチアとの手に汗握る攻防戦を演じた姿には、海外メディアからもさまざまな意見が寄せられている。
  　英公共放送『BBC』で解説を務めた元イングランド代表MFのジャーメイン・ジーナス氏は「日本は本当に良いチームだ。前半から輝かしかったし、彼らは勝利に値した」と絶賛しつつも、PK戦について「力はなかった。リバコビッチが素晴らしかったのはあるが、日本は打ちのめされたことだろう」と振り返った。

　度重なる大番狂わせを起こして、世界を驚かせた日本。そんな彼らの前に８強の壁がまたして立ちはだかった。

構成●THE DIGEST編集部

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