一見すると簡単そうに見えるが、実は奥が深い。サッカーにおけるPKはまさにそうだ。キッカーは距離にして12ヤード(約10.97メートル)の位置にボールを置き、GKと“1対1”で対峙するそれは、文字通り一瞬にして両チームの命運を分けてしまう。
去る12月5日に行なわれた日本代表とクロアチア代表によるカタール・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦は、まさに明暗が分かれる結果となった。
1-1で互いに譲らず迎えたPK戦で、日本の3人(南野拓実、三笘薫、吉田麻也)が相手守護神ドミニク・リバコビッチに食い止められたのに対し、クロアチアは3人が難なくキックを成功。見事に3-1で勝利してベスト8に駒を進めたのである。
試合後、キッカー人選が選手たちによる挙手制であった点や森保一監督が「結果を掴み取れず選手に責任を負わせてしまった部分で、私が全て決めた方が選手にとっても良かったのかな」と語るなど、日本のPKにおける“準備不足”だったのではないかという見方がSNSを中心に高まった。
無論、「PKは運」であり「緊張感のある局面で蹴った選手たちの勇気を称えたい」と擁護する声も大いにあったわけだが、指揮官がテレビ番組で「準備の仕方が足りなかった」と漏らしたために、ネガティブな意見も多く噴出したのである。
実際、あらゆるデータを簡単に手に入れられる昨今のサッカー界は、キッカーやGKの傾向が数字となって現れる。だからこそ、PKは「運」だけに任せてはいけないものに変化してきているのだ。
この変化について、米スポーツ誌『Sports Illustrated』で執筆するジャーナリストのベン・リトルトン氏は、12月2日に掲載した記事内で「PK戦が運によって左右されると考えているのか? もうそうじゃない。とくに精神的な勝負が増えるワールドカップでは、準備不足で臨むのは愚かだ」と指摘している。
PKについて「屈強なアスリートを、泣きじゃくる子どもに変えてしまうほど恐ろしいものだ」と指摘するリトルトン氏。彼はGKとキッカーはもちろん、コーチ、心理学者に加え、ゴルファー、ラグビーのキッカーなどPKに似た状況下でプレーするアスリートへの取材を敢行。そのうえで「勝つチャンスはある。心理的な部分よりも後回しにされがちだが、訓練すれば上達する技術なんだ」と結論づけている。
「もちろん、準備をしても必ず勝つという保証はない。しかし、EURO2020の決勝でPK戦の末にイタリア代表に敗れたイングランド代表のガレス・サウスゲイトは運のせいにしはしなかった。彼は『私が蹴る人間を選んだんだ。私の責任だ』と言った。意図的に練習し、心理学に焦点を当てるのは、シュートの成功を100%保証するものではない。だが、間違いなく勝つチャンスを向上させるものだ」
サッカー史においては、ロベルト・バッジョ(元イタリア代表)やディエゴ・マラドーナ(元アルゼンチン代表)など多くの名手たちでさえもPKを失敗してきた過去がある。だからと言って、「運」や「結果論」という言葉だけで済ませてはいけないのではないか。とくに日本がベスト8の壁を突き破るためには、PKこそ細部にこだわり、技術を突き詰めなければいけないはずだ。
構成●THE DIGEST編集部
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去る12月5日に行なわれた日本代表とクロアチア代表によるカタール・ワールドカップの決勝トーナメント1回戦は、まさに明暗が分かれる結果となった。
1-1で互いに譲らず迎えたPK戦で、日本の3人(南野拓実、三笘薫、吉田麻也)が相手守護神ドミニク・リバコビッチに食い止められたのに対し、クロアチアは3人が難なくキックを成功。見事に3-1で勝利してベスト8に駒を進めたのである。
試合後、キッカー人選が選手たちによる挙手制であった点や森保一監督が「結果を掴み取れず選手に責任を負わせてしまった部分で、私が全て決めた方が選手にとっても良かったのかな」と語るなど、日本のPKにおける“準備不足”だったのではないかという見方がSNSを中心に高まった。
無論、「PKは運」であり「緊張感のある局面で蹴った選手たちの勇気を称えたい」と擁護する声も大いにあったわけだが、指揮官がテレビ番組で「準備の仕方が足りなかった」と漏らしたために、ネガティブな意見も多く噴出したのである。
実際、あらゆるデータを簡単に手に入れられる昨今のサッカー界は、キッカーやGKの傾向が数字となって現れる。だからこそ、PKは「運」だけに任せてはいけないものに変化してきているのだ。
この変化について、米スポーツ誌『Sports Illustrated』で執筆するジャーナリストのベン・リトルトン氏は、12月2日に掲載した記事内で「PK戦が運によって左右されると考えているのか? もうそうじゃない。とくに精神的な勝負が増えるワールドカップでは、準備不足で臨むのは愚かだ」と指摘している。
PKについて「屈強なアスリートを、泣きじゃくる子どもに変えてしまうほど恐ろしいものだ」と指摘するリトルトン氏。彼はGKとキッカーはもちろん、コーチ、心理学者に加え、ゴルファー、ラグビーのキッカーなどPKに似た状況下でプレーするアスリートへの取材を敢行。そのうえで「勝つチャンスはある。心理的な部分よりも後回しにされがちだが、訓練すれば上達する技術なんだ」と結論づけている。
「もちろん、準備をしても必ず勝つという保証はない。しかし、EURO2020の決勝でPK戦の末にイタリア代表に敗れたイングランド代表のガレス・サウスゲイトは運のせいにしはしなかった。彼は『私が蹴る人間を選んだんだ。私の責任だ』と言った。意図的に練習し、心理学に焦点を当てるのは、シュートの成功を100%保証するものではない。だが、間違いなく勝つチャンスを向上させるものだ」
サッカー史においては、ロベルト・バッジョ(元イタリア代表)やディエゴ・マラドーナ(元アルゼンチン代表)など多くの名手たちでさえもPKを失敗してきた過去がある。だからと言って、「運」や「結果論」という言葉だけで済ませてはいけないのではないか。とくに日本がベスト8の壁を突き破るためには、PKこそ細部にこだわり、技術を突き詰めなければいけないはずだ。
構成●THE DIGEST編集部
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