専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外サッカー

「明らかに無礼だ!」ペレを“麻薬常習者”と皮肉った自身への応援歌を歌った古巣サポにジーコが憤怒!「責任を持ってくれ」

THE DIGEST編集部

2023.01.15

愛するクラブだからこそ、サポーターたちの振る舞いにジーコは黙っていなかった。(C)Getty Images

愛するクラブだからこそ、サポーターたちの振る舞いにジーコは黙っていなかった。(C)Getty Images

 サッカー界の“神様”が怒っている。元ブラジル代表MFジーコだ。

 レジェンドが嘆いたのは、現地1月13日に開幕したリオ・デ・ジャネイロの州リーグ「カンピオナート・カリオカ」で、現役時代に長年所属した古巣フラメンゴのサポーターたちが歌ったチャントである。

 本拠地マラカナンにアウダックス・リオデジャネイロを迎え撃ったフラメンゴ。試合前には昨年12月29日に他界した元ブラジル代表FWペレと、同じく元ブラジル代表FWで、ヴァスコ・ダ・ガマの会長も務めたロベルト・ディナミッチへの黙とうが捧げられた。だが、その厳かなセレモニーの最中にスタジアムに陣取った一部のサポーター集団が、以下の内容のチャント(応援歌)を合唱したのである。

「ジーコ、ジーコ、ジーコ、ジーコ、ジーコ。ペレは大麻常習者で、マラドーナは薬物の吸飲者だ」

 フラメンゴのサポーターたちからすれば、「自分たちのクラブのレジェンドこそ偉大だ」とジーコの存在を強調したかっただけなのもしれない。しかし、南米サッカー界を代表する偉才を侮辱する辛辣な内容だけに批判の声が噴出。ついには“神様”が自ら意見を発した。
 
 ブラジル・メディア『O Globo』を通じて声明を発表したジーコは「私もマラカナンで起きた出来事には納得できていない」とし、サポーターたちの行動を断じた。

「あれは明らかに無礼な振る舞いだ。もう私は何度もフラメンゴのサポーター代表と『あの歌は歌うな』と話してきている。彼らは私たちがサッカーを共にした偉大な友人たちであり、国を代表する偉人だ。もしも、私に敬意を表したいのなら、もっと工夫を凝らした違うチャントを作ってくれ。リスペクトや優しさ、そして責任を持ってくれ。もう私は何年もこのことを残念に思っている」

 愛着のあるクラブへの厳しい言葉を投げかけたジーコ。そんな69歳のレジェンドには、国内メディアも賛辞を贈る。ポータルサイト『Lance』は「偉大なる10番はフラメンゴ・サポーターの愚かな振る舞いを許さなかった。彼が敬意を集める理由はここにある」と評している。

 現役時代から人格者として尊敬を集めてきたジーコ。愚行に真っ向から異を唱えた今回の振る舞いも、彼が“神様”たる所以なのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

ブラジル国民が愛想を尽かしたW杯の涙。責務を放棄して“絆”も失ったネイマールの物語は終わりに近づいている【現地発】

【関連記事】「彼の文化を理解しなきゃ」“喋らない”中島翔哉を獲得した舞台裏をトルコクラブ監督が告白「普通なら獲得はノーだ」

【関連記事】「日本人はおかしい」――ジェフ時代に育成にも響いた指導者・オシムの凄み。日本サッカー界が忘れてはならない姿勢
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号