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海外サッカー

W杯を制したアメリカ女子代表ラピノーのバロンドール受賞に、国内で批判が噴出! そのワケは?

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2019.12.03

米雑誌『Glamour』が選出する2019年ウーマンオブザイヤー表彰式に登場したラピノー。 (C) Getty Images

米雑誌『Glamour』が選出する2019年ウーマンオブザイヤー表彰式に登場したラピノー。 (C) Getty Images

 現地時間12月2日、フランスの老舗サッカー専門誌『France Football』が選出するバロンドールの表彰式がパリで行なわれた。

 男子の最優秀選手部門ではバルセロナに所属するアルゼンチン代表リオネル・メッシが、そして女子部門では、女子フランス・ワールドカップを制したアメリカ代表の主将、ミーガン・ラピノーが受賞した。

 女子部門の創設1年目となった昨年は、ノルウェー代表のアーダ・ヘーゲルブルクが受賞。ラピノーは女子の二代目バロンドーラ―となる。また、W杯でのゴールデンボール&ゴールデンブーツ(大会最優秀選手&得点王)、ならびに「FIFA最優秀選手賞」にも輝いており、女子部門での個人賞四冠を達成したことになる。

 しかし、表彰式は欠席。受賞発表後、会場にはビデオコメントが流れた。そのなかでラピノーは「信じられないような1年」と振り返り、関係者たちに感謝を述べた。

「まさか私が選ばれるなんて、思いもしなかった。ピッチの上やピッチの外でさえも私が自分らしくいられるように取り計らって、サポートしてくれたチームメート、監督、米国サッカー連盟(USSF)に感謝しています。今日はその場に向かうことができませんでしたが、来年またお伺いできるように、全力でサッカーに打ち込みます」

 同賞にはアレックス・モーガン、ビン・ヒース、ローズ・ラベルら米国代表も候補者入りしており、今回のバロンドールは、米国のサッカーファンにとってより感慨深いものになったことだろう。
 
 しかし、一方でラピノーの受賞に疑問を呈する声も上がっているという。

 英紙『The Guardian』によれば、ラピノーはワールドカップでプレーするために、昨季の国内リーグ(NWSL)にほとんど出場していない。記録も「ゴールもアシストもゼロ」であることから、「国内リーグの軽視につながる」と批判の声が上がっているというのだ。

 こうした意見に対して、米国の評論家は「W杯での彼女は幸運というよりほかない」とコメントし、擁護したという。

「W杯で6ゴール・3アシストを決めたウインガーは幸運に恵まれていたと言えるだろう。確かに国内での成績は褒められたものではないが、あのような人々の共感を呼ぶスタイルで、ピッチ上、そしてピッチ外での振る舞いが注目された存在はほかに居ない。
 
 彼女のプレーヤーとしての真価が問われるのはこれからだ。自分で口にしたように、再びバロンドーラ―になれるか。その道のりの厳しさは本人が何よりも理解しているはずだ」

 現ドナルド・トランプ政権への発言、そして女性たちへ強烈なメッセージを発信し続けているラピノー。現地では、米女子代表のサプライヤーであるNIKEがラピノーの受賞を記念し、トレードマークであるピンクとゴールドを散りばめたオリジナルスパイクを贈ったしたことが報道されている。そして、非売品とされているこの商品に対して、早くも「素敵」「ぜひ欲しい」といった声が殺到しているという。

 彼女の影響力はフットボール界に留まらず、今後も拡大していきそうだ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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