サッカー大国を４発撃破した衝撃は、いまだ止まないようだ。

　現地９月９日、ドイツのヴォルフスブルクで行なわれたサッカーの国際親善試合で、日本代表はドイツ代表と激突。昨年11月のカタール・ワールドカップ（W杯）以来のリベンジマッチは大方の予想を覆し、日本代表が4-1で完勝を収めた。

　これだけではない。現地12日にはベルギー・ヘンクに移動してトルコ代表と対峙した日本代表は、９日のドイツ戦に続く４発快勝で欧州勢を相手に２連勝。最高の形で９月シリーズの遠征を終えた。

　森保ジャパンの圧巻パフォーマンスは、欧州メディアも驚きを隠せない。大敗したドイツの専門誌『Kicker』は「日本はほとんど苦労せずにドイツを4-1で葬った」と綴り、日本の洗練された攻撃を称賛。一方で、醜態を晒した自国に対しては「状況はさらに悪いものになっている。何かを早急に変える必要がある」と悲嘆に暮れていた。

　欧州衛星放送局『EUROSPORT』は「ドイツのさらなる失態。日本がさらに屈辱を与えた」とドイツを辛辣に批判。「代表コーチはさらに厳しい敗戦を喫して、土俵際に追い詰められた」と指摘した。そして日本戦の翌日、ドイツサッカー連盟はハンジ・フリック監督の解任を決定したのは周知の事実である。

　日本の快勝劇に驚嘆したのは、欧州メディアだけではない。来年１月にカタールで開催されるアジアカップに臨むライバル国も続々と反応している。カタールの衛星放送局『ALJAZEERA』は「ドイツは期待外れのパフォーマンスを続け、ホームに詰めかけたファンの前で、ゲストの日本に1-4で屈辱の敗戦を喫した」とドイツの凋落ぶりを伝えている。

　別のカタールスポーツメディア『Alkass Digital』は試合後、日本代表の森保一監督のコメントに注目。「ハジメ・モリヤスはドイツに大勝した後、『来年のアジアカップまでには、まだ改善する必要がある』と語った」と記し、さらなるレベルアップに戦々恐々している。
  　マレーシアの老舗日刊紙『New Straits Times』も、森保監督の”改善発言”に興味を示している。同メディアは、森保監督が来年のアジアカップまでに「自分たちを祝福するだけでなく、成長を続ける必要がある」というコメントを引用。そのうえで、次のように日本チームを評している。

「モリヤスは『我々はよりコンパクトになる必要があり、全員が守備し、全員が攻撃しなければならない。そして、ダイナミックに反応する場面も必要だ。私たちはさらに多くの課題をこなさなければならない』と話した。アジアカップで最多４度優勝しているチームは、カタールで開幕する大会に向けて、さらなる進化を目論んでいる」

　結果だけでなく今後のメンバー選考を含め、より多くの収穫を得た日本代表。欧州の地で、アジアを主戦場とするチームの価値をまたひとつ高めることに成功した。

構成●THE DIGEST編集部

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