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久保建英のCLデビュー戦に欧州各メディアの評価は分かれる「危険な状況を生み出した」「ほとんど攻撃には関与せず」

THE DIGEST編集部

2023.09.22

CLデビューを果たした久保。各国メディアの評価は様々だったようだ。(C) Getty Images

 現地時間9月20日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)のグループステージ第1節で、レアル・ソシエダはインテルと1-1で引き分けた。

 10年ぶりの大舞台で昨季のファイナリストを本拠地レアレ・アレナに迎えたソシエダは、開始4分でブライス・メンデスが敵陣で相手DFからボールを奪取してゴールを決めると、その後も幾度か得点機を迎えたものの、シュートの精度を欠いたり、相手GKの好守やクロスバーに阻まれたりして加点できず、逆に87分、ラウタロ・マルティネスの同点ゴールを許してしまい、残り時間わずかなところで勝点2を失う結果となった。

 久保建英は念願のCL初出場を果たし、定位置の右ウイングとしてスタメン入り。72分に交代でベンチに退くまで、利き足ではない右足でよくコントロールされたクロスをロビン・ル・ノルマンに合わせて好機を創出した他、CKでもその正確なキックが味方の惜しいシュートに結びつき、またフィニッシュにも絡むなど、幾度も見せ場を創った一方で、相手の厳しいマークに沈黙する時間も短くはなかった。
 
 試合後、自身のSNSに「CLデビュー戦。良い感じだったのに、勝てなかったことは残念です。次!」と投稿した背番号14。そんな彼に対する現地メディアの報道を見ると、マドリードのスポーツ紙『MARCA』は、40分のル・ノルマンへのクロス提供について「右サイドからの久保の素晴らしいプレー。見事なクロスが送られた」と称賛、また「久保は相手にプレッシャーをかけるために全力を尽くした」と守備面の貢献に言及しながらも、「彼はいつものようには、完全に試合に参加できていない」とも指摘している。

 同メディアは3点満点の採点で「1」止まりとしたが、一方の『AS』紙は「2」を与え、「インテルは2対1で久保にプレッシャーをかけることに腐心し、彼を無力化しようとしたが、ソシエダの攻撃は左サイドに傾いていたため、問題にはならなかった。しかし、日本人選手がチャンスを得た時、彼は魔法のようなプレーを見せ、バンジャマン・パバールとカルロス・アウグストの間に、どんな選手でもボールを通すのが不可能と思われるところに、パスを通した」と、彼のこの試合でのベストプレーを伝えた。

 他にも、「久保がとんでもない方法でCKを獲得した」と報じ、また彼のドリブルを止めるためにインテルのヘンリク・ムヒタリアンが警告を受けたことなどを伝えた同メディアは、個別評価においても「常に完璧であるわけでなく、通常のプレーと比べて少し地味だったが、それでもル・ノルマンの頭に完璧なクロスを供給した」と綴っている。

 続いて、バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、久保を「毒のあるプレー」と表現し、「彼にとっては最も輝かしい試合ではなかったが、(72分に)交代した時、インテルは継続的な悩みから解放された。久保は右足でル・ノルマンに、左足でミケル・メリノに、それぞれ素晴らしいクロスを供給した」と、ポジティブに評した。
 
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スペイン全国紙はやや辛口な評価に