海外サッカー

元スペイン代表のセスク、監督就任2試合目でダービーに挑む。対戦相手の指揮官は中田英寿、中村俊輔とプレーした元イタリア代表FW

THE DIGEST編集部

2023.11.28

セリエBのコモで暫定監督を務めているセスク。(C)Getty Images

 現役時代にアーセナル、バルセロナ、チェルシー、モナコでプレーした元スペイン代表MFのセスク・ファブレガスが、2022ー23シーズン限りで現役を引退したイタリア・セリエBのコモで指導者の道を歩み始めた。

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 セスクは引退後にコモのプリマベーラ(Uー18)の監督に就任。しかし、11月13日にトップチームの指揮官モレーノ・ロンゴが解任されると、その後任に指名されて暫定監督となった。

 この人事はイタリアで大きな話題となった。解任されたロンゴは6勝3分け3敗で昇格プレーオフ圏内の暫定6位につけており、しかも解任2日前のアスコリ戦は敵地で1ー0の勝利を手にしていたからだ。

『Gazzetta dello Sport』紙はこの監督交代劇を「衝撃的」と報じ、「クラブを所有するインドネシア人たちは、クラブの国際的な人気を狙っている。セスクが昨シーズンに加入してプレーしたのも、そのプロジェクトの一環だった。セスクとコモの選手たちは昨シーズンのチームメイトで、ゼロからの関係ではない。しかし、監督交代が予期せぬ変化だったのは間違いないだろう」と報じた。

 また、スポーツメディア『Eurosport』は、「ロンゴのサッカーの内容に、オーナーたちは満足しなかったのだろう」と伝えた。セスクはボール支配を優先しないロンゴ時代の戦術から一転、ポゼッションスタイルを導入。初陣となった13節(11月25日)のフェラルピサロ戦ではボール保持率で相手を上回って(60.3パーセント対39.7パーセント)、2ー1の勝利を収めている。決勝点が生まれたのは90分+3分だった。
 
 続いてコモは11月28日に、延期分の第3節レッコ戦を迎える。コモとレッコは同じロンバルディア州のクラブで、いずれもコモ湖畔の街を本拠地としている。この「デルビー・デル・ラーリオ」と呼ばれるダービーマッチに向けてセスクは、「ダービーに勝ちたい。いつものようにファン全員のサポートが必要だ。特別な試合になるため、全員が団結しなければならない」と連勝に向けて団結を呼び掛けた。

 対戦相手のレッコは、1972ー73シーズン以来50年ぶりにセリエBに昇格したクラブで、今シーズンはここまで3勝3分け7敗の17位。8試合を消化した時点(1勝2分け5敗)で成績不振を理由にルチャーノ・フォスキ監督を解任し、10月12日に後任の指揮官としてエミリアーノ・ボナッツォーリを招聘した。

 現役時代にFWだったボナッツォーリは、パルマやレッジーナ、サンプドリア、フィオレンティーナなどでプレー。イタリア代表歴もあり、パルマ時代には中田英寿と、レッジーナ時代には中村俊輔とチームメイトだった。

 ボナッツォーリの監督キャリアはセリエDのものしかない。しかし抜擢されたレッコでは11節に当時2位のパレルモ(2ー1)、13節に当時1位のパルマから大金星(3ー2)を挙げて18位から17位に浮上。降格圏を脱している。

 就任2試合目のセスク暫定監督と、上位相手に白星を挙げたボナッツォーリ監督。それぞれが率いるコモとレッコの「デルビー・デル・ラーリオ」には、小さくない注目が集まっている。

構成●THE DIGEST編集部

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