チャンピオンズリーグ（CL）のグループステージで悪夢の結末を迎えたチームは幾つもあるが、マンチェスター・ユナイテッドとニューカッスルのプレミアリーグ勢もそれに含まれる。

　前者は現地時間12月12日に首位バイエルンと対戦。コペンハーゲン、ガラタサライとは勝点１差の４位ということで、自力での２位以内通過の可能性はなくなっていたものの、強敵を本拠地オールド・トラフォードに迎えて奇跡を起こすことが期待された。しかし、０-１であえなく敗北。「赤い悪魔」は2020-21シーズン以来となるファーストラウンド敗退の憂き目を見た。

　その翌日、ニューカッスルは同勝点のミランとのホームゲームに臨み、先制点を奪うも逆転負け（１-２）。マンU同様、自力での勝ち抜けの可能性は消えていたが、首位ドルトムントと２位パリ・サンジェルマンの結果次第では逆転もあり得た「マグパイズ」の19年ぶりとなる欧州挑戦は、６試合を戦ったところで終焉を迎えることとなった。
  　この両チームは決勝トーナメント進出を逃しただけでなく、いずれもグループ最下位に沈んだことで、ヨーロッパリーグ（EL）に参入する権利すら得られずに終わっている。1992-93シーズンにCLが創設されて以来、イングランドのクラブがグループ最下位となったのは、1995-96シーズンのブラックバーン、2005-06シーズンのマンU、そして2012-13シーズンのマンチェスター・シティだけである。

　ましてや、同シーズンにプレミアリーグの２チームが最下位になるというケースは初。財政面でも他を圧倒し、繁栄の時にあるプレミアリーグだが、出場４チームのうち半分が他国のライバルたちの軍門に降ったことは、これまでにない大きな変化だと言えよう。

　この結果について、現地メディアが懸念を示しているのは、来季より出場チームが36に増えてグループステージ方式からスイスリーグ方式に移行するCLにおいて、イングランドの出場枠の増加が阻まれることだ。各クラブの成績による国別の係数ポイントで、上位２か国に対して追加出場枠が与えられることが決定しているが、グループステージ終了時点では、１位ドイツ（13.36点）、２位イタリア（13.14点）となっている。イングランドはその２か国に次いで３位（12.13点）に止まっている。