文字通りの死闘だった。
現地4月25日、パリ五輪のアジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップは準々決勝が行なわれ、グループステージでU-23日本代表を1-0で下し、B組を首位突破した韓国代表がインドネシア代表と激突。120分でも決着は付かず、最後は12人目までもつれ込んだPK戦の末、韓国がまさかの敗退。インドネシアがアジアの虎を破り、初のベスト4進出を果たした。
2-2の同点のまま、勝負の行方はPK戦に委ねられた。先攻の韓国、後攻のインドネシアがともに5人目まで成功が続くなか、最初に動きがあったのはサドンデスの6人目。韓国のMFカン・サンユンのシュートがGKに止められ、崖っぷちに。インドネシアは決めれば勝利だったが、こちらもシュートが枠を外れてしまい韓国は命拾いする。
その後も両チームのキッカーが次々に成功を収め、なんと勝負は2周目に突入する白熱した展開に。決着がついたのは韓国の12人目、イ・ガンヒが右隅を狙ったシュートをGKがセーブすると、会場のインドネシア・サポーターは大興奮。異様な雰囲気のなか、インドネシアは元東京ヴェルディDFアルハンがボールをセット。とてつもないプレッシャーがかかるなか、22歳は冷静に左足で右隅に流し込み、激闘に終止符を打った。
言わずもがな、アブドゥラ・ビン・ハリファ・スタジアムは狂喜乱舞となり、強敵を打ち破ったイレブンの雄姿に涙を流すインドネシア・サポーターの姿も見受けられた。そして、歴史を塗り替えた若きイレブンに母国メディアは喝采を送っている。
インドネシアのニュースやエンタメを中心に取り扱うポータルサイト『Okezone.com』は韓国をPK戦で下した直後、速報記事を配信。「2024年パリ五輪の出場権獲得まで、あと一歩に迫った!」という見出しを打ち、大々的に報じた。
同メディアは「熾烈を極めた試合は多くのドラマが生まれた」と論じ、「韓国出身のシン・テヨン監督はU-23インドネシア代表を率いて、アジアカップ準決勝進出という歴史を作った」と綴り、同監督の手腕を高く評価した。
続けて、シン・テヨン監督の指導にフォーカス。「この韓国人は優れた交渉人であり、周囲の人々のために立ち上がることを恐れない。彼の話はとても説得力があり、その場にいる全員が満足するような状況を解決する能力を持っている」と綴る。加えて、彼の人間性に触れながら、選手の能力をフルに引き出し、自身の母国を撃破した采配に賛辞を惜しまない。
「彼は几帳面であり、自分自身と周囲に気を配ることができる。思いやりもあり、思慮深く愚かな決断を下すことを好まない。ゆえに、常に競争相手の数歩先を考えて、有益なメリットがあるかどうかを確認する」
年齢制限のないA代表も率いている同監督は、実は今年1月のアジアカップでも大きな成果を収めている。日本と同組のグループDに入ったインドネシアは第1節のイラク代表に1-3で敗れたが、第2節ではフィリップ・トルシエ監督(当時)が率いるベトナム代表に1-0で勝利。第3節では日本代表に1-3で敗れたものの、全グループの3位チームのうち上位4番目に入り、ギリギリで史上初の決勝トーナメント進出に導いた。1回戦でオーストラリア代表に0-4で完敗を喫し8強進出は叶わなかったが、その手腕はAFC公式も注目したほどだ。
準決勝は、サウジアラビア対ウズベキスタン戦の勝者と対戦するインドネシア。韓国の名将に率いられるチームは、初の五輪切符に並々ならぬ意欲を燃やしている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】文字通りの死闘…インドネシア〇PK11-10●韓国で決着した激闘をハイライト
現地4月25日、パリ五輪のアジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップは準々決勝が行なわれ、グループステージでU-23日本代表を1-0で下し、B組を首位突破した韓国代表がインドネシア代表と激突。120分でも決着は付かず、最後は12人目までもつれ込んだPK戦の末、韓国がまさかの敗退。インドネシアがアジアの虎を破り、初のベスト4進出を果たした。
2-2の同点のまま、勝負の行方はPK戦に委ねられた。先攻の韓国、後攻のインドネシアがともに5人目まで成功が続くなか、最初に動きがあったのはサドンデスの6人目。韓国のMFカン・サンユンのシュートがGKに止められ、崖っぷちに。インドネシアは決めれば勝利だったが、こちらもシュートが枠を外れてしまい韓国は命拾いする。
その後も両チームのキッカーが次々に成功を収め、なんと勝負は2周目に突入する白熱した展開に。決着がついたのは韓国の12人目、イ・ガンヒが右隅を狙ったシュートをGKがセーブすると、会場のインドネシア・サポーターは大興奮。異様な雰囲気のなか、インドネシアは元東京ヴェルディDFアルハンがボールをセット。とてつもないプレッシャーがかかるなか、22歳は冷静に左足で右隅に流し込み、激闘に終止符を打った。
言わずもがな、アブドゥラ・ビン・ハリファ・スタジアムは狂喜乱舞となり、強敵を打ち破ったイレブンの雄姿に涙を流すインドネシア・サポーターの姿も見受けられた。そして、歴史を塗り替えた若きイレブンに母国メディアは喝采を送っている。
インドネシアのニュースやエンタメを中心に取り扱うポータルサイト『Okezone.com』は韓国をPK戦で下した直後、速報記事を配信。「2024年パリ五輪の出場権獲得まで、あと一歩に迫った!」という見出しを打ち、大々的に報じた。
同メディアは「熾烈を極めた試合は多くのドラマが生まれた」と論じ、「韓国出身のシン・テヨン監督はU-23インドネシア代表を率いて、アジアカップ準決勝進出という歴史を作った」と綴り、同監督の手腕を高く評価した。
続けて、シン・テヨン監督の指導にフォーカス。「この韓国人は優れた交渉人であり、周囲の人々のために立ち上がることを恐れない。彼の話はとても説得力があり、その場にいる全員が満足するような状況を解決する能力を持っている」と綴る。加えて、彼の人間性に触れながら、選手の能力をフルに引き出し、自身の母国を撃破した采配に賛辞を惜しまない。
「彼は几帳面であり、自分自身と周囲に気を配ることができる。思いやりもあり、思慮深く愚かな決断を下すことを好まない。ゆえに、常に競争相手の数歩先を考えて、有益なメリットがあるかどうかを確認する」
年齢制限のないA代表も率いている同監督は、実は今年1月のアジアカップでも大きな成果を収めている。日本と同組のグループDに入ったインドネシアは第1節のイラク代表に1-3で敗れたが、第2節ではフィリップ・トルシエ監督(当時)が率いるベトナム代表に1-0で勝利。第3節では日本代表に1-3で敗れたものの、全グループの3位チームのうち上位4番目に入り、ギリギリで史上初の決勝トーナメント進出に導いた。1回戦でオーストラリア代表に0-4で完敗を喫し8強進出は叶わなかったが、その手腕はAFC公式も注目したほどだ。
準決勝は、サウジアラビア対ウズベキスタン戦の勝者と対戦するインドネシア。韓国の名将に率いられるチームは、初の五輪切符に並々ならぬ意欲を燃やしている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】文字通りの死闘…インドネシア〇PK11-10●韓国で決着した激闘をハイライト
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