数的不利を乗り越え、白星スタートを決めた。

　現地４月16日、U-23日本代表はパリ五輪のアジア最終予選を兼ねたアジアカップ（カタール）のグループステージ初戦で中国代表と激突した。試合は15分にDF西尾隆矢が一発退場となり10人での戦いを強いられた日本だが、チーム一丸で虎の子の１点を守り切り、勝点３を獲得した。

　開始８分に右サイドからMF山田楓喜が鋭いクロスをゴール中央に送ると、松木玖生が左足で合わせてゴールネットを揺らし、日本が幸先よく先制点を奪った。

　ところが17分、守備の要である西尾がボールを保持していない場面で相手と接触。振り上げた左肘が相手の顔面に入ってしまいVARの結果、主審はレッドカードを提示。残り73分間をひとり少ない状況で戦う苦境に立たされた日本だったが、GK小久保玲央ブライアンのビッグセーブなどが光り、チーム全員でハードワーク。１-０で勝利を収めた。

　辛勝とはいえ、重要な初戦をなんとかもぎ取った日本。それに対し、スタートダッシュに失敗した中国メディアは若きサムライブルーのメンタリティに感服する一方で、自国の低パフォーマンスを嘆いている。

　中国唯一の英語スポーツテレビ番組『CGTN Sports Scene』は「U－23アジアカップで、中国代表は10人の日本代表に敗れた」と、数的有利を活かせず敗北を喫したと報告。チャンスもあったなか、決定打を欠く内容に「厳しい船出だ」と表現。残り２試合の韓国戦（19日）とUAE戦（22日）に向けては「夢を持ち続けるしかない」と落胆の色を隠せず、グループステージ突破に気持ちを切り替えるしかなかった。
  　グループBの初戦がすべて終わった直後、アジアサッカー連盟（AFC）公式サイトは「日本の忍耐力が中国を押し込んだ」とのマッチレビューを配信。日本の奮闘ぶりを称えている。

　記事内では「ディフェンダーのリュウヤ・ニシオが早々に退場処分となり、若きサムライブルーは敗退の危機にさらされた。このピンチを主将のフジタ（藤田譲瑠チマ）と、ゴールを決めたクリュウ・マツキがチームの勝利に貢献した」と言及。この試合の最優秀選手に選ばれた藤田と、FC東京を牽引する若きアタッカーの活躍に注目した。

　同サイトによると、大岩剛監督は「とてもタフなゲームだった」と振り返り、「レッドカードが出たことで、今日の試合は非常に難しくなった。しかし戦術を変えながら、選手たちはよくやってくれた。この勝利はとても重要で、大きな価値がある」と語り、厳しい状況を選手交代などで乗り切りつつ、最後まで戦い抜いた選手たちに労いの言葉を送っている。

　今大会で日本は上位３位に入るか、４位でもアフリカ代表ギニアとのプレーオフに勝利した場合にパリ五輪出場権を獲得することができる。初戦から激闘を繰り広げた若きサムライブルーは中２日というタイトな日程のなか、次戦UAEと相まみえる。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】数的不利を乗り越えた若き日本代表が白星スタート！激闘の中国戦ハイライト！