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「理に適った補強」「完璧な組み合わせ」 エムバペのマドリー移籍を現地メディアやOBらは大歓迎! 一方でフランス・サッカー界の今後への懸念も

THE DIGEST編集部

2024.06.04

マドリーと5年契約を結んだエムバペ。(C)Getty Images

 フランス代表FWキリアン・エムバペのレアル・マドリー入りが、6月3日に正式発表された。

 2017年から7シーズン所属してきたパリ・サンジェルマンとの今季限りでの契約満了により、この25歳のスーパースターは移籍金なしでチャンピオンズリーグ(CL)を制したばかりのスペインの名門に加入。契約期間は2029年までの5年間で、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』によれば、年俸1280万ポンド(約25億円)の他、5年間で8500万ポンド(約169億円)のボーナスを受け取ることになるという。

 長年噂されていた大型移籍がついに成立したことを受け、エムバペは自身のSNSで「夢が現実になった。憧れのクラブであるマドリーの一員になれて、とても幸せで、誇りに思う。今の気持ちは、言葉では表わせない。とても幸せで興奮している。マドリディスタのみんなに会うのが待ちきれないし、素晴らしい応援に感謝したい。アラ(頑張れ)、マドリー!」と喜びを表わし、新天地やそのファンにメッセージを送っている。

 これに対し、マドリーの多くの選手たちはすぐにSNSで反応し、GKティボー・クルトワは「新しい家へようこそ」、ブラヒム・ディアスは「世界最高のクラブへようこそ」と歓迎の意を示し、エドゥアルド・カマビンガはフランス代表でのエムバペとの画像を公開、そしてエデル・ミリトンは「ようこそ。16回目の勝利を目指して……」と、早くも次なる欧州制覇を期待しているようだ。
 
 また、クラブOBも久々の超大物選手の獲得を喜び、イケル・カシージャスは「ようこそ」、マルセロ(現フルミネンセ)は「君とともに16度目の欧州制覇への道が始まる」と投稿、ケイラー・ナバス(パリSG→今季で退団)は「君は偉大だ、兄弟」と称え、クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)は「次は君の番だ。サンティアゴ・ベルナベウで君が輝くのを見るのが待ちきれない」と激励している。

 今季はラ・リーガ、CLを勝ち取るなど、すでに十分な強さを誇るマドリーへのエムバペ加入は、カルロ・アンチェロッティ監督率いるチームに問題を引き起こす可能性があると警告するメディアも少なからずあり、イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、ヴィニシウス・ジュニオール、ジュード・ベリンガム、ロドリゴら優れたタレントを擁する攻撃陣に、このフランス代表FWを組み込むのは簡単ではないと指摘する。

 逆に、アメリカのスポーツ専門サイト『The Athletic』などは、アンチェロッティ監督が柔軟に戦術を使い分けてスター選手の力を十二分に引き出す能力を持っていることを理由に、「理に適った補強」であると評価。元マドリーのフランス代表FWのニコラ・アネルカは「キリアンはマドリーでプレーするために生まれた選手」とまで言い切り、「現在のマドリーは彼を活かせるスピードを基盤としたチームであり、まさに完璧な組み合わせだ。心配は全くなく、彼は大活躍し、ゴールを積み重ねるだろう」と太鼓判を押した。

 フランスの通信社『AFP』は、宿敵バルセロナとのパワーバランスに言及し、「マドリーは15回目の欧州制覇を果たした直後に、サッカー界最大のスターを獲得したことで、ライバルの傷口にさらに塩を塗り込むことになった」「財政難に苦しむバルサに対し、エムバペを獲得したマドリーの印象的な意思表明により、国内の勢力バランスがさらにマドリーに傾く可能性がある」と伝えている。
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エムバペの“流出”がリーグアンの注目度を低下させることを懸念