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「呪いが解かれた」イングランド、歴史的に苦手とするPK戦を制して4強入り!「技術的に完璧」との選手への称賛とともに指揮官の周到な準備にも賛辞

THE DIGEST編集部

2024.07.08

PK戦でスイスの1番手アカンジのキックを止めたピックフォード(左)と、イングランドの5番目のキッカーを務めたアレクサンダー=アーノルド(右)。(C)Getty Images

 現地時間7月6日に行なわれたEURO2024準々決勝で、イングランド代表はスイス代表をPK戦の末に下し、前回大会に続いてのベスト4入りを果たしている。

 攻勢に立った前半になかなかチャンスを創り出せず、逆に後半はスイスにペースを握られたイングランド。75分に左サイドからのクロスをブレール・エムボロに決められて先制を許してしまうが、その5分後にブカヨ・サカが右サイドのカットインから放った美弾がゴール左ポストを叩いてゴールネットに突き刺さり、試合を振り出しに戻す。

 延長戦は互いに惜しい場面を迎えたものの得点には至らず、PK戦に突入。スイスは1人目のマヌエル・アカンジが失敗。イングランドはコール・パーマー、ジュード・ベリンガム、サカ、イバン・トニー、そしてトレント・アレクサンダー=アーノルドの順で5人全員が成功し、5-3で「11メートルの対決」を制した。
 
 今回も試合内容としては、母国日刊紙『The Guardian』が「スイス戦でイングランドが唯一コントロールしているように見えたのは、PK戦だけだったかもしれない。それ以前? 前線での停滞したプレー、延長戦での混乱した守備、サイドでの無気力さ……」「論理的にはイングランドは敗退していたはずだ」と厳しく振り返ったように、完璧からは程遠いものだった。

 それでも同メディアは、強い精神力が求められるPK戦での勝利を評価し、とりわけ「ガレス・サウスゲイト監督はすべてが即興でやっているように見える一方で、具体的なプレーに対するマネジメントは健在であり、PK戦を心理学的な見地から研究し、ランダムな要素を排除するために費やされた多くの時間が報われた。彼には欠点があるが、そのマネジメント能力は疑いようがない」と、今大会は厳しい視線に晒され続けている指揮官に賛辞を贈っている。

 また、OBたちもまたひとつハードルをクリアした後輩を称賛。レジェンドストライカーのアラン・シアラーは英国公共放送『BBC』で、「いかにプレッシャーがかかる状況かを私は知っているが、彼らはそれをいとも簡単に乗り越えた」と選手を称え、かつてのチームメイトであるサウスゲイト監督にも「彼の準備が間違いなくキーポイントであり、PK戦の人選も完璧だった」と言及した。
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