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海外サッカー

PK戦の明暗… コパ敗退のブラジル、監督の行動が母国で猛烈批判! EURO準Vイングランドの取り組みには絶賛の声が

THE DIGEST編集部

2024.07.15

PK戦でコパ・アメリカ8強敗退となったブラジル。その際の指揮官の行動が非難の的となっている。(C) Getty Images

PK戦でコパ・アメリカ8強敗退となったブラジル。その際の指揮官の行動が非難の的となっている。(C) Getty Images

 ブラジル代表はコパ・アメリカ準々決勝でウルグアイ代表と対戦し、乏しいパフォーマンスに終始した120分間の後にPK戦を落として敗退を喫している。

 1人目のエデル・ミリトン、3人目のドグラス・ルイスが失敗した「セレソン」だが、この11メートルの戦いの前にドリバル・ジュニオール監督が選手の円陣に加わらなかった場面が物議を醸すことに。アシスタントのルーカス・シルベストルに指示を任せた指揮官を無責任だと批判する声が上がったのである。

【動画】コパ・アメリカ準々決勝、ウルグアイ対ブラジルのPK戦
 ドリバル監督は試合後、「私の考えはすでに、選手一人ひとりに伝えていたので、円陣には近寄らなかった。5人の選手はあらかじめ決定し、練習内容についても話してきた。実際、オーランドに到着した初日から、我々はPKの練習をしていた。ノックアウトステージではPK戦も重要になると知っていたからだ」とコメントしていた(総合メディア『Globo』より)。

 しかし、SNSなどではウルグアイのマルセロ・ビエルサ監督が選手を指揮している場面の画像とドリバル監督が円陣を外から眺めている場面の画像が公開され「ドリバルは蚊帳の外」「ドリバルは会話に加われず……これはサッカー界で最も悲しい光景だ」「PK戦前にモチベーションを高めるための円陣に入らない代表監督。これを見れば、セレソンは全てが間違っているのが分かる。あり得ない」と批判的な声が多く投稿されている。

 これに対し、指揮官は「馬鹿げている。私に質問すらしていないのに、1枚の写真で勝手な解釈するのは全くもって軽率な行為だ」と怒りと不満を露にし、「私は昔から、PK戦前に選手に指示を出すことはない。試合終了の1分前にキッカーを決めてから、何か特別なことでもない限りは、彼らからは離れた位置にいる。過去の試合の映像を見れば、それは分かるはずだ」と主張した。

 彼はまた、このPK戦で「チームは落ち着いていた」とも語って、自身のアプローチに問題はなかったと強調。しかし、この52歳の指揮官に異論を唱える人物が、ノルウェーにいた。心理学者のゲイル・ヨルデット氏だ。スポーツ心理学の専門家にして、サッカーの指導者でもある彼は、ドリバル監督が選手たちの輪から離れていた行動は「最善のものではなかった」と指摘している。

「多くの監督は、PK戦の準備と指導をアシスタントに任せてしまうが、これは最善と言えない。PK戦はサッカーにおいて最もプレッシャーがかかる瞬間であり、選手たちがリーダーの存在を必要とする瞬間だ。伝統的にブラジルをはじめとする多くの国では、PKを重視する監督は少なく、練習でも優先されず、その結果として、十分な準備ができていない。これは残念なことだ。ここで苦しむのは選手であり、それが失敗に繋がってしまう」
 
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