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「今は拍手を送る番だ」EURO優勝に沸くスペインメディア、指揮官の手腕を絶賛!「ラポルト、ファビアンの先発起用、若手への信頼…最高のマネジメントを見せた」

下村正幸

2024.07.16

スペインを4度目のEURO制覇に導いたルイス・デ・ラ・フエンテ監督(中央)。Getty Images

「我々がこの代表チームをどれほど誇りに思っているか。彼らがいかに戦い、いかにプレーし、いかに楽しみ、いかに苦しんだか。彼らは欧州全体に教訓を与えた。全7試合でベストを尽くした。ベストを尽くした者は、それ以上のことをする義務はない。そんな中、彼らは勝利した。優勝に値する内容をこれでもかというほど見せつけてだ」

『ラジオ・マルカ』の人気番組のMCミゲル・キンターナ氏がこう称賛するように、スペイン代表は7戦7勝、イタリア、ドイツ、フランス、イングランドと強豪国を次々に撃破しての完全優勝で、4度目となるEURO制覇を成し遂げた。

 決勝戦の前はイングランドを警戒視する声が少なくなかった。そこに到達するまでの戦績、試合内容を見れば、スペインに分があるのは歴然だったが、攻撃的なスタイルで大会を彩ってきたチームが決勝で涙を呑むのは、サッカーではよくあることだからだ。
 
 だからこそ優勝後は、大手ラジオ局『カデナ・コペ』の人気スポーツ番組<エル・パルティダッソ・デ・コペ>の討論コーナーで、「正義が証明された」、「サッカー界にとっても勇敢で攻撃的なスタイルを貫くスペインが優勝したことはこれ以上ない朗報だ。イングランドやフランスにタイトルが渡っていれば悲劇だった」といったコメントが識者の間で出た。

 大会MVPについては、番組内でロドリ、ニコ・ウィリアムス、ラミネ・ヤマル、エメリク・ラポルトの名前が挙がったが、誰もが口を揃えて評価したのが、選手たちのベストパフォーマンスを引き出したルイス・デ・ラ・フエンテ監督の手腕だ。記者のゴンサロ・ミロ氏もその1人だ。

「今日(決勝)だって、後半にオジャルサバルを投入した時、私はその采配を批判した。それから、サウジアラビアのリーグに移籍した後もラポルトをずっとレギュラーとして起用し続けることにも批判してきた。それがこのハイパフォーマンスだ。ファビアン・ルイスも、大会前はスタメン起用を疑問視されていた選手の1人だ。ヤマルら若手を信頼したこともそう。監督はこれ以上ない最高のマネジメントを見せた」
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代表OBのカニサレス氏は大会を通して4失点に抑えた守備力が優勝の原動力になったと語る