現地時間７月17日、U-23日本代表はパリ・オリンピック前の最後の強化試合をフランス・トゥーロンで行ない、同国U-23代表と１-１で引き分けている。

　大岩剛監督率いる日本は敵地でフランスに主導権を握られ、序盤から幾つかの決定機を創られたが、25分に敵陣でのボール奪取から三戸舜介の絶妙なヒールパスを受けた藤田譲瑠チマが右足でGKギョーム・レステを破って先制する。しかし、47分に速攻からミカエル・オリーズの技ありミドルで追いつかれると、その後も再三ピンチを迎えたが、相手の決定力不足に助けられる形で失点を免れ、そのまま試合終了を迎えた。

　90分の大部分で守勢を強いられる試合となったが、前日に現地に入ったばかりということで、大岩監督は「コンディションを整えるのが第一の目的だった」と語り、「フランスで試合ができたこと、ピッチ状態や環境に慣れることができた」と収穫を挙げた。また、藤田のゴールについては、「我々の強みであるミドルゾーンでの守備からのショートカウンターで、よくできたと思う」とポジティブに振り返っている。
  　これに対し、フランスを率いるティエリ・アンリ監督は、自チームを評する中で、「数え切れないほどのクロスやシュートでチャンスを創るなど、日本のような非常に優れたチームを相手にも、我々のスタイルは出せていたと思う」「ボールを上手く扱える日本に対して、一歩も引かなかった」と、試合について言及した。

　フランスのメディアの報道を見ると、スポーツ紙『L’EQUIPE』は「パラグアイ（４-１）とドミニカ共和国（７-０）との２試合で圧倒的な勝利を収めた後の日本戦は、アンリ監督自身、『レベルが数段上がるはず』と期待していたが、日本はそれを裏切らなかった」と日本を称賛し、さらに以下のように続けている。

「彼らはフランス入りして間もないにもかかわらず、ハイレベルの戦いを提供した。コンパクトで組織的、パスの出し方が上手く、プレスも効果的な日本は、マヌ・コネがペナルティーエリア前でボールを失った隙を突き、キャプテン藤田の活躍によって先制した」