リバプールは今オフここまで、ベティス、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッドとプレシーズンマッチを行ない、それぞれ１-０、２-１、３-０と全勝を飾っている。

　９年間チームを率いたユルゲン・クロップの後を引き継いだアルネ・スロット新監督の下、８月17日のプレミアリーグ開幕に向けて準備に余念がない「レッズ」だが、その中で遠藤航もこのチームでの２シーズン目を万全の状態で迎えるべく、日々のトレーニングや試合に励んでいるところだ。

　昨季、シュツットガルトから電撃的にリバプールに加入し、当初は新天地のスタイルへの適応に苦労したものの、シーズン中盤にはアンカーとして堂々と君臨するようになり、現地メディアからも高い評価を下された31歳の日本代表キャプテンは、同時に「長くプレーできる若く有能なMFを獲得するまでの一時的な存在」との見方もされてきており、新シーズンでは再びこうしたネガティブな声を払拭するほどの活躍を披露できるかが注目されている。

　遠藤はベティス戦で先発出場を果たし、アンカーとして前半45分間プレーした後、続く２試合ではいずれもベンチスタートとなり、アーセナル戦では後半開始から、マンU戦では65分から、それぞれ交代出場している。

　リバプールのクラブ専門メディア『LIVERPOOL.COM』は、「スロット監督は、日本代表のキャプテンについての考えを固めたようだ。遠藤は今夏の最初のフレンドリーマッチ（ベティス戦）でポゼッションにおいて不安定なプレーを見せると、その後の２試合では不利な立場に置かれた」と、ネガティブに彼の現状を伝えた。
  　また同メディアは、「（アーセナル戦以降）カーティス・ジョーンズやライアン・フラーフェンベルフが６番のポジションでプレーしたことからも、遠藤の序列が下がったのは明らかだ。現時点で、彼がスカッドプレーヤー以上の存在になることはないように見える。それは、もしこのポジションのスペシャリストをリバプールが獲得すればより明らかだが、それでも遠藤がチームに残留すれば、まだ役に立てる存在であり続けるだろう」とも綴っている。

　リバプールの地元紙『ECHO』も、「スロット監督が遠藤をあまり起用していないことから見ると、この指揮官が中盤の底にはより技術力のある選手を好んでいることが分かる。しかし、一方で真に守備志向のMFがチームに不足していることも、しばしば明らかになっている」と指摘した。

　そしてクラブ専門メディア『EMPIRE OF THE KOP』は、「新指揮官がフラーフェンベルフを試してそのパフォーマンスを楽しんだことや、ステファン・バイチェティッチの起用も考慮していることを考えると、遠藤がアンフィールドで長期的に活躍する未来を想像するのは難しい。守備的MFが不足していた際に彼が果たした重要な貢献を軽視することはないが、残念ながら中盤の進化に伴って、このポジションは元シュトゥットガルトのキャプテンの手に負えるものではなくなってしまった」と、厳しい展望を示している。

　新シーズン開幕を目前に控え、このように悲観的な見方が多い遠藤だが、昨季同様に持ち味をフルに発揮して、チームへの貢献度と自身の価値を高めていくことができるか。彼の再度の“リベンジ”に期待したいところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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