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「ワクワクしないわけがない」アルバレスらの加入にアトレティコ・ファンのボルテージが急上昇! 「6月の段階で聞かされてもフィクションとしか思えなかった」

下村正幸

2024.08.14

アトレティコへの完全移籍が決まったアルバレス。(C)Getty Images

 応援するクラブを問わず、スペインのフットボールファンはずっと我慢してきた。ラ・リーガで頭角を現わした選手が、すぐさまプレミアリーグのクラブに目をつけられ、大金と引き換えに持っていかれてしまうことを。

 今夏にビジャレアルからチェルシーに移籍したフィリップ・ヨルゲンセンなどはその典型例だ。もはや、かつての威光を維持し続けているのはレアル・マドリーのみで、そのライバルのバルセロナでさえも深刻な財政難に直面し、上層部の創意工夫(あるいは悪あがきともいう)も虚しく、移籍市場では劣勢を強いられている。

 2強に次ぐ存在のアトレティコ・マドリーも同様だ。しかも最近は、そのスペイン3番手の地位も怪しくなっている。昨シーズンはリーグ4位と、ディエゴ・シメオネ政権下では就任2年目から12年間続いていた3位以内でのフィニッシュを逃した。それは、移籍市場での劣勢が招いた結果ともいえる。チームのテコ入れはもはや不可欠で、シメオネ監督もクラブに対して補強を要求。スペイン紙『AS』のアトレティコ番記者、セルヒオ・ピコス氏も「大刷新の夏になる」と予想した。
 
 しかしいざ蓋を開けてみると、昨シーズンのラ・リーガ得点王のアルテム・ドフビクの獲得に失敗(ジローナ→ローマ)するなど、7月が終わろうとする段階になっても、新戦力はゼロのままだった。移籍市場での劣勢が続いていることは明らかなように思えた。

 そんな中、7月27日にクラブはスペイン代表のロビン・ル・ノルマンとの獲得合意を発表する。近年、レアル・ソシエダのDFリーダーを担っていた実力者だ。EURO開催中から加入が既定路線と伝えられていたのは、「ファンの不満を和らげるため」と勘ぐる地元記者もいた。
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