もうずっと長い間、バルセロナは負のスパイラルを好転させるターニングポイントを探してきた。チャンピオンズリーグ(CL)でも惨敗が続き、2021年夏にリオネル・メッシが退団すると、いよいよ弱体化が進み、ヨーロッパリーグ(EL)でも同じ失敗を繰り返した。
バルサ寄りメディアの代表格ともいえる『スポルト』紙の副編集長、アルベル・マスノウ氏が「ここ数シーズン、いくつかのタイトルを獲得し、良い試合もあった。しかし光明が見られたり、新緑が生えたと思っても、それが長続きすることはなく、最も信心深いサポーターですら疲弊させる結果となっていた。ファンの間でポジティブな感情を呼び起こすには、すべてが不十分だった」と指摘していたように、いつも兆しだけで終わる状況が続いていた。
だからこそ、今シーズンの開幕からの“ヤング・バルサ”の快進撃にも半信半疑の者は少なくなかった。元代理人で現在はコメンテーターを務めるジョゼップ・マリア・ミンゲージャ氏も、「今シーズン序盤のバルサは、あまり強くない相手との対戦が続いた。モナコとパンプローナ(オサスナ戦)での敗戦を除けば、白星を積み重ねてはいるが、『強豪と対峙したらどうなるか』という疑念は常に渦巻いていた」と、ファンの気持ちを代弁している。
しかし悩めるバルサは、ついにターニングポイントを見つけたようだ。大きな試金石として位置づけられていたバイエルン、レアル・マドリーとの連戦を4-1、4-0といずれも大差で撃破。この結果を受け、ファンは歓喜し、著名識者の間でも、「バイエルンに2-8の大敗、リオネル・メッシの悲劇的な退団、彼と一時代を築き、最後まで生き残っていたチームメイトの離脱といった痛ましい過去に完全に別れを告げた」(スペイン紙『AS』の前編集長、アルフレッド・レラーニョ氏)、「今のバルサには、トップにとどまり続けるだけの信頼感がある」(同紙バルサ番記者、フアン・ヒメネス氏)、「強いバルサが戻ってきた。しかもマルク・カサドを筆頭に1年前は無名だった若手が大半を占めるラ・マシア色の濃いチームでだ(フリージャーナリストのサンティアゴ・セグロラ氏)」と、真の復活に言及する声が相次いでいる。
あまりの強さに戸惑いを見せたのは『スポルト』紙の元編集長、ジョゼップ・マリア・カサノバス氏で、「もし8月のリーグ開幕時に、ハンジ・フリック監督のチームが10月後半にマドリーを敵地で粉砕し、その宿敵に勝点6差をつけて首位に立っていると聞かされても、我々は信じなかっただろう。新戦力がダニ・オルモひとりにとどまる中、新任のドイツ人監督がこんな奇跡を起こすとは、誰が想像しただろうか。ラ・マシア色が強いチームが、ヴィニシウス・ジュニオールとキリアン・エムバペを擁するマドリーを圧倒したのは奇跡としか言いようがない」と、驚きのコメントを残している。
バルサがクラシコで完勝を収めた夜、クラブOBのジェラール・ピケは、「我々は唯一無二だ。あなたたちは決して我々のようにはなれない。ラ・マシアの若者たちとともに。なんてリサイタルだ。なんて誇らしいことなんだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。
その「あなたたち」とは、もちろんマドリーのことを示しており、『スポルト』紙によると、直後にピケに対してマドリディスタの間から非難の声が噴出したという。強いバルサが復活し、現役時代にもたびたび物議を醸したピケの挑発行為も戻って来た。
文●下村正幸
【動画】バルサが敵地ベルナベウでマドリーを4発撃破!
バルサ寄りメディアの代表格ともいえる『スポルト』紙の副編集長、アルベル・マスノウ氏が「ここ数シーズン、いくつかのタイトルを獲得し、良い試合もあった。しかし光明が見られたり、新緑が生えたと思っても、それが長続きすることはなく、最も信心深いサポーターですら疲弊させる結果となっていた。ファンの間でポジティブな感情を呼び起こすには、すべてが不十分だった」と指摘していたように、いつも兆しだけで終わる状況が続いていた。
だからこそ、今シーズンの開幕からの“ヤング・バルサ”の快進撃にも半信半疑の者は少なくなかった。元代理人で現在はコメンテーターを務めるジョゼップ・マリア・ミンゲージャ氏も、「今シーズン序盤のバルサは、あまり強くない相手との対戦が続いた。モナコとパンプローナ(オサスナ戦)での敗戦を除けば、白星を積み重ねてはいるが、『強豪と対峙したらどうなるか』という疑念は常に渦巻いていた」と、ファンの気持ちを代弁している。
しかし悩めるバルサは、ついにターニングポイントを見つけたようだ。大きな試金石として位置づけられていたバイエルン、レアル・マドリーとの連戦を4-1、4-0といずれも大差で撃破。この結果を受け、ファンは歓喜し、著名識者の間でも、「バイエルンに2-8の大敗、リオネル・メッシの悲劇的な退団、彼と一時代を築き、最後まで生き残っていたチームメイトの離脱といった痛ましい過去に完全に別れを告げた」(スペイン紙『AS』の前編集長、アルフレッド・レラーニョ氏)、「今のバルサには、トップにとどまり続けるだけの信頼感がある」(同紙バルサ番記者、フアン・ヒメネス氏)、「強いバルサが戻ってきた。しかもマルク・カサドを筆頭に1年前は無名だった若手が大半を占めるラ・マシア色の濃いチームでだ(フリージャーナリストのサンティアゴ・セグロラ氏)」と、真の復活に言及する声が相次いでいる。
あまりの強さに戸惑いを見せたのは『スポルト』紙の元編集長、ジョゼップ・マリア・カサノバス氏で、「もし8月のリーグ開幕時に、ハンジ・フリック監督のチームが10月後半にマドリーを敵地で粉砕し、その宿敵に勝点6差をつけて首位に立っていると聞かされても、我々は信じなかっただろう。新戦力がダニ・オルモひとりにとどまる中、新任のドイツ人監督がこんな奇跡を起こすとは、誰が想像しただろうか。ラ・マシア色が強いチームが、ヴィニシウス・ジュニオールとキリアン・エムバペを擁するマドリーを圧倒したのは奇跡としか言いようがない」と、驚きのコメントを残している。
バルサがクラシコで完勝を収めた夜、クラブOBのジェラール・ピケは、「我々は唯一無二だ。あなたたちは決して我々のようにはなれない。ラ・マシアの若者たちとともに。なんてリサイタルだ。なんて誇らしいことなんだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。
その「あなたたち」とは、もちろんマドリーのことを示しており、『スポルト』紙によると、直後にピケに対してマドリディスタの間から非難の声が噴出したという。強いバルサが復活し、現役時代にもたびたび物議を醸したピケの挑発行為も戻って来た。
文●下村正幸
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