2024年のバロンドールは、マンチェスター・シティ所属のスペイン代表MFロドリが受賞。この28歳は、クラブではプレミアリーグ4連覇に、そして代表ではEURO2024で母国の史上最多4度目となる欧州制覇に貢献し、この栄誉に十分に値する選手ではあったが、レアル・マドリーのヴィニシウス・ジュニオールが最有力候補と見られていただけに、世界中に少なからず驚きを提供することとなった。
昨季、ともに優勝を飾ったラ・リーガやチャンピオンズリーグで残した実績とインパクトから、カカ以来17年ぶりとなるブラジル人の受賞が確実視されていたヴィニシウスが、その称号を取り逃がしたことが分かると、彼を含むマドリーの選手、スタッフは授賞式が開催されたパリ行きを取りやめた。この判断は、この賞レースの結末そのものへの様々な反応に加え、当事者、関係者、メディア、世論を交えての新たな論争の種を蒔くこととなってしまった。
しかしこの物議を醸した結果について、英国の日刊紙『The Guardian』は、自国のリーグでプレーする選手が受賞したからということではなく、「これまで評価されてこなかったタイプの選手に対する正義の行為」だと評価し、また「スペインのMFに栄冠が渡ったことは、サッカー界における思考の転換を示している」とも指摘している。
マンCのジョゼップ・グアルディオラ監督が「間違いなく世界最高のMF」、スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督が「完璧なコンピューター」と絶賛したロドリについて、同メディアも「チームのプレースタイルやチーム全体のバランスに影響を与えるという点で、彼に並ぶ者はいない。彼はチーム全体の力を十分に引き出すことができ、それにより、彼が所属するチームとそれ以外のチームとの間に違いを生む」と賛辞を惜しまない。
中盤でピッチ全体の状況を把握し、どういったプレーを選択すれば良いかを的確に判断できるロドリを、「彼は他の選手たちのプレーを完成させた。彼はチームを機能させることが自分の仕事だと考えている」と綴る同メディアは、「この役割は常に注目されるものではないが、彼はもはや無名の存在ではなく、ここで矛盾が生じる。『過小評価』されることが、むしろ評価の理由となる瞬間があり、謙虚さや静かさ、普通さが目を引く」とも指摘する。
類まれな能力を有して、チームメイトを引き立てる、チームを助ける仕事に取り組んだ結果、自身の存在が際立つようになったというケースで、「ロドリがバロンドールを受賞することは、サッカー界における優先順位の再調整を示しており、必ずしもゴールや注目のスター選手だけで成り立つものではないことを象徴している」。
バロンドールについては、守備的な選手がこの栄誉を手にしづらいという指摘は以前からなされており、ティボー・クルトワ(マドリーGK)ら多くの選手も不満を露にしている。長い歴史において、この役割を担った選手は、これまでレフ・ヤシン、フランツ・ベッケンバウアー、マティアス・ザマー、ファビオ・カンナバーロだったが、「ロドリの受賞は、彼だけでなく、過去に受賞できたかもしれない、あるいは受賞すべきだった選手たちへの正義でもあった」という。
「もっとも、ヴィニシウスの選考漏れにまつわる騒動からも、まだ攻撃選手が有利というこれまでの傾向が完全に払拭されたわけではない」と同メディアは指摘するが、それでも2024年の異例などんでん返しの結末は、歴史的かつ革新的な出来事だったということであり、今後の賞レースの行方にいかなる影響を与えるかが興味深いところだ。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】バロンドールトロフィーと口づけを交わすロドリ
昨季、ともに優勝を飾ったラ・リーガやチャンピオンズリーグで残した実績とインパクトから、カカ以来17年ぶりとなるブラジル人の受賞が確実視されていたヴィニシウスが、その称号を取り逃がしたことが分かると、彼を含むマドリーの選手、スタッフは授賞式が開催されたパリ行きを取りやめた。この判断は、この賞レースの結末そのものへの様々な反応に加え、当事者、関係者、メディア、世論を交えての新たな論争の種を蒔くこととなってしまった。
しかしこの物議を醸した結果について、英国の日刊紙『The Guardian』は、自国のリーグでプレーする選手が受賞したからということではなく、「これまで評価されてこなかったタイプの選手に対する正義の行為」だと評価し、また「スペインのMFに栄冠が渡ったことは、サッカー界における思考の転換を示している」とも指摘している。
マンCのジョゼップ・グアルディオラ監督が「間違いなく世界最高のMF」、スペイン代表のルイス・デ・ラ・フエンテ監督が「完璧なコンピューター」と絶賛したロドリについて、同メディアも「チームのプレースタイルやチーム全体のバランスに影響を与えるという点で、彼に並ぶ者はいない。彼はチーム全体の力を十分に引き出すことができ、それにより、彼が所属するチームとそれ以外のチームとの間に違いを生む」と賛辞を惜しまない。
中盤でピッチ全体の状況を把握し、どういったプレーを選択すれば良いかを的確に判断できるロドリを、「彼は他の選手たちのプレーを完成させた。彼はチームを機能させることが自分の仕事だと考えている」と綴る同メディアは、「この役割は常に注目されるものではないが、彼はもはや無名の存在ではなく、ここで矛盾が生じる。『過小評価』されることが、むしろ評価の理由となる瞬間があり、謙虚さや静かさ、普通さが目を引く」とも指摘する。
類まれな能力を有して、チームメイトを引き立てる、チームを助ける仕事に取り組んだ結果、自身の存在が際立つようになったというケースで、「ロドリがバロンドールを受賞することは、サッカー界における優先順位の再調整を示しており、必ずしもゴールや注目のスター選手だけで成り立つものではないことを象徴している」。
バロンドールについては、守備的な選手がこの栄誉を手にしづらいという指摘は以前からなされており、ティボー・クルトワ(マドリーGK)ら多くの選手も不満を露にしている。長い歴史において、この役割を担った選手は、これまでレフ・ヤシン、フランツ・ベッケンバウアー、マティアス・ザマー、ファビオ・カンナバーロだったが、「ロドリの受賞は、彼だけでなく、過去に受賞できたかもしれない、あるいは受賞すべきだった選手たちへの正義でもあった」という。
「もっとも、ヴィニシウスの選考漏れにまつわる騒動からも、まだ攻撃選手が有利というこれまでの傾向が完全に払拭されたわけではない」と同メディアは指摘するが、それでも2024年の異例などんでん返しの結末は、歴史的かつ革新的な出来事だったということであり、今後の賞レースの行方にいかなる影響を与えるかが興味深いところだ。
構成●THE DIGEST編集部
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