レアル・マドリーのロドリゴは「固め打ち」が多い選手だ。今シーズンも12月14日のラージョ・バジェカーノ戦から1月29日のチャンピオンズリーグ(CL)のブレスト戦までに、公式戦11試合で10ゴールを記録。その一方でラージョ戦のゴールは2度の怪我による戦線離脱も重なったとはいえ、ほぼ3か月ぶりだった。ポイントは、ヴィニシウス・ジュニオールの怪我や出場停止による欠場により、本人が最も得意としている左ウイングでの出場が増えたことで調子が上向き、ゴール量産に繋がっていることだ。
【動画】三笘がマンU戦で大暴れ!1ゴール・1アシストの活躍
スペイン紙『AS』の副編集長ハビエル・シジェス氏は、ロドリゴが1ゴール・2アシストを記録した1月19日のラス・パルマス戦後、次のように分析している。「ロドリゴの価値は、本来のポジションである左ウイングに戻ると劇的に高まることはよく知られているが、彼自身もその適性の高さをこれでもかとばかりにアピールし続けている。サイドから中央へ切り込むドリブルを駆使してより存在感を発揮し、内側へ絞る動きをスムーズに行なうことができるので、フィニッシュに絡む頻度も高まる。ヴィニシウスは不動の存在だが、ロドリゴが常時左サイドでプレーすれば、どこまで活躍できるかをこの試合が示している」
つまり固め打ちが多い傾向も、ポジションが左サイドに固定されればコンスタントなそれに改善される可能性が高まってくるというわけだ。しかし、ロドリゴにとって難しいのは右ウイングですら安泰ではないことだ。昨夏、キリアン・エムバペが加入し、さらにジュード・ベリンガムも相手ゴールに近い位置でプレーするほどパフォーマンスが上昇することが明らかになっている。
もちろん、ベリンガムも含めて4人全員を同時に起用することは可能だが、開幕以来、強豪相手の試合ではことごとく攻撃偏重の布陣の弱点を突かれて敗れており、カルロ・アンチェロッティ監督が今後、大一番でフェデリコ・バルベルデの偽ウイング起用も含めて、中盤の人数を4人に増やした4-4-2を採用することは十分に考えられる。その時に前線3トップから弾き出されるのがロドリゴであろうことは容易に想像できる。
だからこそ、フリージャーナリストのアドリアン・ブランコ氏は、「ロドリゴが今シーズン、マドリーのスタメンに名を連ね続けるための最善の方法は、右サイドでのパフォーマンスを向上させ、なおかつチームの攻守のバランスが破綻しないように、守備意識の高さにおいてヴィニシウスとエムバペとは異なることを示すことだ。それは自分自身が置かれた状況が2人とは異なることを受け入れることから始めなければならない」と強調し、さらにこう結論付ける。
「ロドリゴは1億ユーロ以上の価値がある選手であり、その実力からすれば、CLの優勝候補に挙げられているどこのチームでも、左サイドでレギュラーとして活躍できるはずだ。この状況で彼にできることは今の自分の立ち位置を理解して受け入れるか、マドリーを去るかの二者択一となる」
ロドリゴのポジション論争は今に始まったことではない。そもそも古巣のサントスで頭角を現わしたのも左サイドで、マドリーに加入した時点からこうした境遇に陥る危険性をはらんでいた。思えば、昨年春ごろ、エムバペの加入が確実視される中、自身の去就について迷える心境を吐露し、物議を醸していた。
ブラジル代表とは異なり、クラブチームの場合は選択肢がある。好むと好まざるとにかかわらず、ロドリゴが一級品の実力とは裏腹の損な役回りを強いられる状況が続く限り、この種の論争が止むことはなさそうだ。
文●下村正幸
【動画】絶好調ロドリゴが2ゴールの活躍! CL8節ブレスト対マドリー戦ハイライト
【動画】三笘がマンU戦で大暴れ!1ゴール・1アシストの活躍
スペイン紙『AS』の副編集長ハビエル・シジェス氏は、ロドリゴが1ゴール・2アシストを記録した1月19日のラス・パルマス戦後、次のように分析している。「ロドリゴの価値は、本来のポジションである左ウイングに戻ると劇的に高まることはよく知られているが、彼自身もその適性の高さをこれでもかとばかりにアピールし続けている。サイドから中央へ切り込むドリブルを駆使してより存在感を発揮し、内側へ絞る動きをスムーズに行なうことができるので、フィニッシュに絡む頻度も高まる。ヴィニシウスは不動の存在だが、ロドリゴが常時左サイドでプレーすれば、どこまで活躍できるかをこの試合が示している」
つまり固め打ちが多い傾向も、ポジションが左サイドに固定されればコンスタントなそれに改善される可能性が高まってくるというわけだ。しかし、ロドリゴにとって難しいのは右ウイングですら安泰ではないことだ。昨夏、キリアン・エムバペが加入し、さらにジュード・ベリンガムも相手ゴールに近い位置でプレーするほどパフォーマンスが上昇することが明らかになっている。
もちろん、ベリンガムも含めて4人全員を同時に起用することは可能だが、開幕以来、強豪相手の試合ではことごとく攻撃偏重の布陣の弱点を突かれて敗れており、カルロ・アンチェロッティ監督が今後、大一番でフェデリコ・バルベルデの偽ウイング起用も含めて、中盤の人数を4人に増やした4-4-2を採用することは十分に考えられる。その時に前線3トップから弾き出されるのがロドリゴであろうことは容易に想像できる。
だからこそ、フリージャーナリストのアドリアン・ブランコ氏は、「ロドリゴが今シーズン、マドリーのスタメンに名を連ね続けるための最善の方法は、右サイドでのパフォーマンスを向上させ、なおかつチームの攻守のバランスが破綻しないように、守備意識の高さにおいてヴィニシウスとエムバペとは異なることを示すことだ。それは自分自身が置かれた状況が2人とは異なることを受け入れることから始めなければならない」と強調し、さらにこう結論付ける。
「ロドリゴは1億ユーロ以上の価値がある選手であり、その実力からすれば、CLの優勝候補に挙げられているどこのチームでも、左サイドでレギュラーとして活躍できるはずだ。この状況で彼にできることは今の自分の立ち位置を理解して受け入れるか、マドリーを去るかの二者択一となる」
ロドリゴのポジション論争は今に始まったことではない。そもそも古巣のサントスで頭角を現わしたのも左サイドで、マドリーに加入した時点からこうした境遇に陥る危険性をはらんでいた。思えば、昨年春ごろ、エムバペの加入が確実視される中、自身の去就について迷える心境を吐露し、物議を醸していた。
ブラジル代表とは異なり、クラブチームの場合は選択肢がある。好むと好まざるとにかかわらず、ロドリゴが一級品の実力とは裏腹の損な役回りを強いられる状況が続く限り、この種の論争が止むことはなさそうだ。
文●下村正幸
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