2022年12月に喧嘩別れのような形でセビージャを退団し、半年間無所属期間が続いていた頃は、このまま終わってしまうのではないかとも感じさせた32歳のベテランが、そのライバルクラブで極上の輝きを放っている。ベティスのイスコだ。良くも悪くも若い頃から気分屋で天才肌なところがあったが、マラガ時代に師事したマヌエル・ペレグリーニ監督との再会とベティスのチームカラーとの相性の良さも相まって、昨年12月に怪我から復帰したあとは、全盛期の輝きを取り戻したという声が相次ぐほどの活躍を見せている。
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特筆すべきは、酸いも甘いもかみ分けてきたベテランならではの貫禄のゲームメイクで、同紙は「どんな経験も価値があり、イスコは十分すぎるほどのものを持っている。衰え知らずのルカ・モドリッチを擁するレアル・マドリー戦でも、ベティスは当初ポゼッションで劣勢を強いられていたが、試合中のある瞬間、イスコがパスワークの中心になることを決意すると、局面に応じて速攻と遅攻をうまく見極めてボールを落ち着かせた」と評価している。マドリー戦ではキャプテンマークを巻いてプレーしたが、リーダーとしての自覚の高さは、かつてマドリー所属時にハードワーク不足を指摘されていた選手が守備に奔走している姿からも窺い知れる。
またイスコへの依存度の高さが昨シーズンのベティスの課題でもあったが、ヘスス・ロドリゲスの台頭とアントニーの加入で両翼の推進力が高まり、負担が軽減したこともプラスに働いている。戦術アナリストのアドリアン・ブランコ氏は、「イスコはスペインサッカーが生んだ最も才能のあるMFの1人だ。司令塔として、圧倒的な存在感を放ちながら、試合の流れをコントロールしている。ベティスに加入して以来、披露しているパフォーマンスが彼の選手としての格だ。彼は生ける伝説だ」と最大級の賛辞を送っている。
この活躍を受けて、怪我によって一旦消えていた代表復帰論が再び持ち上がっており、イスコ本人も、マドリー戦後、「選手なら誰もが代表でプレーすることを夢見る。6年か7年ぶりにもう一度その機会が巡ってくることを願っている。いつの日か復帰できるよう努力を惜しむつもりはない」とコメントしている。
世代交代を敢行し、昨年EUROを制覇したスペイン代表だが、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督は同大会にヘスス・ナバスを招集したように、ベテランが果たす役割の重要性も理解している。
もちろんベティスで活躍し続けることが最大のアピールになることは言うまでもない。ベティスはマドリー戦の白星も含め、目下ラ・リーガ3連勝中で順位も6位に上昇。優勝候補の一角に挙げられ、6日にヴィトーリア・ギマランエス(ポルトガル)とのラウンド16第1レグを戦うカンファレンスリーグへの期待も膨らんできた。強力な両翼と絶対的な司令塔を擁するベティスがシーズン佳境を迎える中、一気に注目度を高めている。
文●下村正幸
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またイスコへの依存度の高さが昨シーズンのベティスの課題でもあったが、ヘスス・ロドリゲスの台頭とアントニーの加入で両翼の推進力が高まり、負担が軽減したこともプラスに働いている。戦術アナリストのアドリアン・ブランコ氏は、「イスコはスペインサッカーが生んだ最も才能のあるMFの1人だ。司令塔として、圧倒的な存在感を放ちながら、試合の流れをコントロールしている。ベティスに加入して以来、披露しているパフォーマンスが彼の選手としての格だ。彼は生ける伝説だ」と最大級の賛辞を送っている。
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もちろんベティスで活躍し続けることが最大のアピールになることは言うまでもない。ベティスはマドリー戦の白星も含め、目下ラ・リーガ3連勝中で順位も6位に上昇。優勝候補の一角に挙げられ、6日にヴィトーリア・ギマランエス(ポルトガル)とのラウンド16第1レグを戦うカンファレンスリーグへの期待も膨らんできた。強力な両翼と絶対的な司令塔を擁するベティスがシーズン佳境を迎える中、一気に注目度を高めている。
文●下村正幸
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