2024-25シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)は、いよいよ5月31日にドイツ・ミュンヘンでの決勝を残すのみとなった。最後にして最高の舞台に立つのは、インテル(イタリア)とパリ・サンジェルマン(フランス)の2チームだ。
欧州サッカーシーンをリードするイングランド、スペイン、そしてドイツのクラブがファイナリストとしての最低1枠を占めてきた近年のCLにおいて、それ以外の国同士のクラブが決勝で対峙するのは2003-04シーズン(ポルト対モナコ)以来。イタリア対フランスとなったのは、1992-93シーズン(マルセイユ対ミラン)以来史上2度目だ。
インテルは2シーズンぶり7回目の決勝進出で、2009-10シーズン以来4度目の優勝を、対するパリSGは2019-20シーズンにルス(ポルトガル・リスボン)でバイエルンの軍門に降って以来のファイナリストとして悲願の初制覇を、それぞれ狙っている。
ちなみに公式戦での両クラブの対戦はない。親善試合は5度あり、最後に戦ったのは2023年で、東京で開催されたそのプレシーズンマッチではインテルが2-1と勝利。パリSGにとってこれがインテル戦での初黒星で、以前の4試合は3勝1分けと勝ち越していた。
すでにリーグアン4連覇を決めたパリSGにはスタッド・ドゥ・ランスとのフランス・カップ決勝、インテルは逆転優勝狙うセリエAと、国内での大事な戦いが控えている。CLファイナルに向けた本格的な準備はその先からとなるだろうが、各国メディアは早くも両クラブの決戦にさまざまな形で言及している。
フランスのスポーツ専門チャンネル『RMC Sport』は、自国チームの守護神に注目し、「第2戦で苦戦を強いられたルイス・エンリケ監督率いるチームを救ったのは、ジャンルイジ・ドンナルンマの驚異的なセーブだった。彼は14歳の時、インテルに加入する可能性があったが、最終的にミラノのライバルであるミランと契約した過去がある」と対戦相手との因縁を紹介。インテルについては、「フルメンバーで臨めるなら、パリSGにとって非常な困難な状況になる可能性がある」と警戒心を示した。
一方、仏紙『Le Figaro』は、「インテルは、マンチェスター・シティに敗れた2022-23シーズンの決勝を経験している選手が大半を占める。決勝までの3週間は、まるで永遠のように長く感じられるだろう。その間、ルイス・エンリケ監督はドルトムント相手に準決勝で敗退した昨季とは違い、心穏やかに誕生日(5月8日)を迎えられそうだ。心が揺さぶられる古巣バルセロナと対戦せずに済んだからだ。頭の中は完全にクラブ初のCL制覇という目標に向けられている」と綴っている。
対してイタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』も、やはりイタリア代表GKを無視できず、「決勝は『ドンナルンマ対インテル』になるだろう」と展望。パリSGに対しては、「大会を通じて成長し、今年1月の補強期間以降は成熟を重ねて、今では“何でもできるチーム”になった」と高く評した。
【動画】決勝に進んだインテルとパリSGの準決勝第2戦ハイライト!
サッカー専門サイト『Football Italia』は、より具体的にパリSGのスタイルを分析。「基本的に4-3-3を採用しており、中央にウスマンヌ・デンベレ、両翼にはフビチャ・クバラツヘリア、ブラッドレー・バルコラ、デジレ・ドゥエといった選手が入ることが多い」と紹介し、以下のように続けている。
「注目すべきはやはりウインガー陣だが、好調のデンベレの存在により、中央の脅威も大きい。彼は今季の公式戦で45試合に出場し、ゴールとアシストを合わせて45という結果を残している。とはいえ、インテルにとってはポジティブなデータもある。元ナポリのウインガー、クバラツヘリアはこれまでインテル戦5試合でゴールもアシストも記録していない。2022-23シーズンに34試合で25のゴールに関与したにもかかわらず、インテル相手には沈黙しているのだ」
また、元イングランド代表MFのジャック・ウィルシャーは英国のスポーツ専門チャンネル『TNT Sports』で、「インテルが勝つと思う。あのチームが決勝で負ける姿が想像できない」と語れば、オーウェン・ハーグリーブスは「こういった試合では、インテルのようなポゼッションが少ないチームが勝つだろう。それでも私はパリSGを推したい。彼らの時代がついに来たのだと思うんだ。パリSGがボールを支配し、インテルはバルサとの準決勝のようにカウンターを仕掛けるだろう」と意見は真っ二つに分かれている。
日刊紙『The Standard』は、「パリSGが2-1で優勝」と早くも結果を予想。データ専門会社「Opta」のスーパーコンピューターは、パリSGが2024-25シーズンのウィナーになる確率を「53.6%」、インテルのそれを「46.4%」としており、またブックメーカー各社も現時点ではパリのチームがわずかに有利だと見ているようだ(スポーツ専門サイト『Sports Mole』)。
各国メディアがさまざまな予想を展開するなか、はたしてインテルが決勝で敗れた2年前の雪辱を果たして4度目の栄冠に輝くのか、それともパリSGが初めてCLを制すか。5月31日、ドイツのミュンヘンに世界中の視線が集まる。
構成●THE DIGEST編集部
【記事】大激戦のCL準決勝、インテルとバルセロナの“紙一重の差”「守備における個のクオリティー不足が露呈し、それが直接的な敗因となったのは象徴的」【現地発コラム】
【記事】「キリアンって誰だ?」パリSG、銀河系軍団からの方針転換でCL決勝へ! 各国メディアは賛辞「自己中心的なエゴの集まりから真のチームへ」
欧州サッカーシーンをリードするイングランド、スペイン、そしてドイツのクラブがファイナリストとしての最低1枠を占めてきた近年のCLにおいて、それ以外の国同士のクラブが決勝で対峙するのは2003-04シーズン(ポルト対モナコ)以来。イタリア対フランスとなったのは、1992-93シーズン(マルセイユ対ミラン)以来史上2度目だ。
インテルは2シーズンぶり7回目の決勝進出で、2009-10シーズン以来4度目の優勝を、対するパリSGは2019-20シーズンにルス(ポルトガル・リスボン)でバイエルンの軍門に降って以来のファイナリストとして悲願の初制覇を、それぞれ狙っている。
ちなみに公式戦での両クラブの対戦はない。親善試合は5度あり、最後に戦ったのは2023年で、東京で開催されたそのプレシーズンマッチではインテルが2-1と勝利。パリSGにとってこれがインテル戦での初黒星で、以前の4試合は3勝1分けと勝ち越していた。
すでにリーグアン4連覇を決めたパリSGにはスタッド・ドゥ・ランスとのフランス・カップ決勝、インテルは逆転優勝狙うセリエAと、国内での大事な戦いが控えている。CLファイナルに向けた本格的な準備はその先からとなるだろうが、各国メディアは早くも両クラブの決戦にさまざまな形で言及している。
フランスのスポーツ専門チャンネル『RMC Sport』は、自国チームの守護神に注目し、「第2戦で苦戦を強いられたルイス・エンリケ監督率いるチームを救ったのは、ジャンルイジ・ドンナルンマの驚異的なセーブだった。彼は14歳の時、インテルに加入する可能性があったが、最終的にミラノのライバルであるミランと契約した過去がある」と対戦相手との因縁を紹介。インテルについては、「フルメンバーで臨めるなら、パリSGにとって非常な困難な状況になる可能性がある」と警戒心を示した。
一方、仏紙『Le Figaro』は、「インテルは、マンチェスター・シティに敗れた2022-23シーズンの決勝を経験している選手が大半を占める。決勝までの3週間は、まるで永遠のように長く感じられるだろう。その間、ルイス・エンリケ監督はドルトムント相手に準決勝で敗退した昨季とは違い、心穏やかに誕生日(5月8日)を迎えられそうだ。心が揺さぶられる古巣バルセロナと対戦せずに済んだからだ。頭の中は完全にクラブ初のCL制覇という目標に向けられている」と綴っている。
対してイタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』も、やはりイタリア代表GKを無視できず、「決勝は『ドンナルンマ対インテル』になるだろう」と展望。パリSGに対しては、「大会を通じて成長し、今年1月の補強期間以降は成熟を重ねて、今では“何でもできるチーム”になった」と高く評した。
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サッカー専門サイト『Football Italia』は、より具体的にパリSGのスタイルを分析。「基本的に4-3-3を採用しており、中央にウスマンヌ・デンベレ、両翼にはフビチャ・クバラツヘリア、ブラッドレー・バルコラ、デジレ・ドゥエといった選手が入ることが多い」と紹介し、以下のように続けている。
「注目すべきはやはりウインガー陣だが、好調のデンベレの存在により、中央の脅威も大きい。彼は今季の公式戦で45試合に出場し、ゴールとアシストを合わせて45という結果を残している。とはいえ、インテルにとってはポジティブなデータもある。元ナポリのウインガー、クバラツヘリアはこれまでインテル戦5試合でゴールもアシストも記録していない。2022-23シーズンに34試合で25のゴールに関与したにもかかわらず、インテル相手には沈黙しているのだ」
また、元イングランド代表MFのジャック・ウィルシャーは英国のスポーツ専門チャンネル『TNT Sports』で、「インテルが勝つと思う。あのチームが決勝で負ける姿が想像できない」と語れば、オーウェン・ハーグリーブスは「こういった試合では、インテルのようなポゼッションが少ないチームが勝つだろう。それでも私はパリSGを推したい。彼らの時代がついに来たのだと思うんだ。パリSGがボールを支配し、インテルはバルサとの準決勝のようにカウンターを仕掛けるだろう」と意見は真っ二つに分かれている。
日刊紙『The Standard』は、「パリSGが2-1で優勝」と早くも結果を予想。データ専門会社「Opta」のスーパーコンピューターは、パリSGが2024-25シーズンのウィナーになる確率を「53.6%」、インテルのそれを「46.4%」としており、またブックメーカー各社も現時点ではパリのチームがわずかに有利だと見ているようだ(スポーツ専門サイト『Sports Mole』)。
各国メディアがさまざまな予想を展開するなか、はたしてインテルが決勝で敗れた2年前の雪辱を果たして4度目の栄冠に輝くのか、それともパリSGが初めてCLを制すか。5月31日、ドイツのミュンヘンに世界中の視線が集まる。
構成●THE DIGEST編集部
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