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デンベレとヤマルがバロンドールを争う中で大手メディアが独自の視点から「真のMVP」を検証

THE DIGEST編集部

2025.07.19

『ESPN』選定のランキングで1位に推されたデンベレ。バロンドールの有力候補だ。(C) Getty Images

 2025年のバロンドールはこれまでより約1か月早い9月に発表される。その選考の対象期間は昨年8月から今年7月までとなっており、つまり多くの国でのサッカーシーズン(秋春制)に合わせたものとなっている。

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 さて今年の同賞の最有力候補は、チャンピオンズリーグ(CL)を制したパリ・サンジェルマンで抜群の輝きを放ったフランス代表FWウスマン・デンベレだとされている。ゴールに繋がる決定的な仕事の他、守備でも多大な貢献を果たし、ルイス・エンリケ監督のサッカーを最も体現してみせた選手のひとりとして多くの称賛を集めており、チームとして最良の結果も残したのだから、十分に納得はいく。

 しかしスポーツ専門チャンネル「ESPN」は、パリSGが昨年12月1日の時点で、CLではリーグフェーズにおいて1勝1分け3敗・得点3失点5という惨憺たる成績で、次ラウンド突破は危うい状況にあったことを指摘。そこからの見事な立て直しを称賛しながらも、シーズンを通しての評価ということであれば、この序盤戦の低迷を見逃すことはできないとしている。
 
 その上で同メディアは、シーズンを通してコンスタントに活躍した選手が誰かを検証。まず攻撃選手では「ゴール+アシスト数」に着目し、ここで断トツなのはリバプールのモハメド・サラーだという。しかし彼の場合はPKが多く、11メートルの対決でのゴールと流れの中での得点では難易度に差があり、同等に扱うのは公平性に欠けるということで、数値上で"修正"を加え、またアシストについてもシチュエーションによる違いを表わすために期待値を反映させた。

 これにより、代わってトップに立ったのはキリアン・エムバペだったが、同メディアは彼が加入したレアル・マドリーの攻撃力は低下し、逆に前所属のパリSGがCL優勝したというチームへの影響度にも着目し、結果的にこの部門ではラフィーニャ(バルセロナ)が首位、続いてエムバペ、デンベレ、ロベルト・レバンドフスキ(バルサ)、サラー……となったが、チームで最も活躍した選手という条件も加味し、ラフィーニャ、デンベレ、サラーが「トップ3」となった。

 ちなみに、実際のバロンドール争いではデンベレの最大のライバルとされているバルサのラミン・ヤマルだが、同メディアの基準では、ゴールでは17点、アシストでは1と、大きくラフィーニャに劣っており、個人タイトルの最高峰に登り詰めるにはかなり厳しい位置にいる。

 続いて守備の選手では、リバプールのフィルジル・ファン・ダイクはCBとして、ESM(ヨーロピアン・スポーツ・メディア)の「月間ベスト11」では1995年以降で最多となる選出回数を記録したものの、チームで最も影響力のある選手とは言えないと同メディアは指摘。対してパリSGのアシュラフ・ハキミについては「攻撃面の貢献でも他のDFを圧倒。スタッツ上でも、トレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール)の1.5倍の影響力を記録。守備力は最低でも平均以上で、現代サッカーで彼のような存在は他にいない」と称賛した。

 こうして同メディアは、ラフィーニャ(プレーの難易度を加味した上で、欧州5大リーグ&CLで最多得点&守備でも貢献)、サラー(世界最高峰リーグにおいてゴール+アシストで他を圧倒)、デンベレ(世界最強チームの中で最も輝いた攻撃選手)、ハキミ(担当ポジションで2番手との差が最も大きい選手。しかもパリSGの3冠に貢献)の4人を、今季において抜きん出た存在であるとの結論を導き出している。なお、「トップ10」は以下の通り。

1位:デンベレ(パリSG)
2位:サラー(リバプール)
3位:ラフィーニャ(バルサ)
4位:ハキミ(パリSG)
5位:ファン・ダイク(リバプール)
6位:ヤマル(バルサ)
7位:レバンドフスキ(バルサ)
8位:ハリー・ケイン(バイエルン)
9位:ペドリ(バルサ)
10位:フリアン・アルバレス(アトレティコ・マドリー)

構成●THE DIGEST編集部
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