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海外サッカー

「バルサでは電柱のように立っているだけだった男が、いまやハイプレスの先頭に…」デンベレが証明した“選手は環境で変わる”という真実

下村正幸

2025.07.16

デンベレはいまや誰もが信頼を寄せるパリSGのエースだ。(C)Getty Images

デンベレはいまや誰もが信頼を寄せるパリSGのエースだ。(C)Getty Images

 ウスマンヌ・デンベレは常に特別な才能を持つ選手だった。ただし、両足を自在に操る突破力は相手DFにとって脅威となる一方で、その意外性が裏目に出ることも少なくなく、怪我の多さも相まって周囲の信頼を獲得するには至らなかった。

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 バルセロナ時代、彼を最も評価していたのはシャビ監督だ。2022-23シーズンのチームはデンベレの個人能力に大きく依存していた。しかし23年夏、契約を1年残して突如退団。バルサにとっては大きな痛手だったが、その穴を埋めるようにラミン・ヤマルが台頭し、結果的にこの移籍は肯定的に捉えられるようになった。

 そして現在デンベレはパリ・サンジェルマンで、バルサ時代とはまるで別人のような活躍を見せている。スペイン『AS』のトマス・ロンセロ記者が「バルサでは電柱のように立っているだけだった男が、いまやハイプレスの先頭に立っている」と評するように、とりわけ守備意識の変化は顕著だ。

 転機はルイス・エンリケ監督との出会いだ。彼の下でデンベレはCF(実質的には偽9番)として起用され、連携を軸にした攻撃で中心的役割を担うようになった。元フランス代表DFビセンテ・リザラズ氏も「ゴール前での決定的な働きを苦手としていた彼が、多くのゴールを決めるCFになるとは想像できなかった」と驚きを隠さない。

 プレースタイルの変化も著しい。『ラジオ・マルカ』のミゲル・キンターナ氏は「仕掛けることしか頭になかったデンベレが、タメを作り、パスを預け、スペースを使うようになった」と成長を称える。

 また、フリージャーナリストのアルベル・ブラジャ氏は、この変貌を「タイミングと巡り合わせが選手のキャリアを大きく左右する好例」と評する。「ルイス・エンリケはデンベレの本質を理解していた。潜在能力は常にあったが、選手はそれぞれのタイミングで輝く。だからこそ我々メディアは簡単に選手の限界を決めつけるべきではないのだ」とも語っている。

文●下村正幸

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