UEFA(欧州サッカー連盟)の女子サッカーディレクター、ナディア・ケスラー氏によれば、開催準備への投資や賞金の「(前回大会から)156%増額」などによって大会の収支自体はマイナス(赤字)になるという。しかし、開催国スイスはこの大会を通じて観光業だけで20億スイスフラン(約186億円)を稼いだということで、英国の日刊紙『The Guardian』も「関係者の誰もが説得力のある数字を並べることができる成功の大会」と評している。
そして同メディアも、「またこの大会は、(独裁国家ではない)民主的で、石油資源に頼らない国でも、ホストカントリーに選ぶ価値があることを感覚的に証明する機会ともなった。スイスは控えめながらも確実に、『スペクタクル』を演出するという課題に応えた」と、やはり男子サッカーにおける近年の「流行」を皮肉ることは忘れていない。
総観客数が2万720人だった1984年の第1回大会(全6試合)から、40年間で大きな成長を遂げたと言える同大会は今後、他のコンペティション同様に拡大を目指し、出場国を24に増加させることも視野に入れているという。女子サッカー界はワールドカップも一昨年のオーストラリア・ニュージーランド大会で32か国に増え、世界の19クラブが出場する女子クラブワールドカップも2028年にスタート予定と、全体的に大きな発展の途にある。
欧州に対峙する勢力であるアメリカの女子トップリーグ「NWSL」は、史上最高額となる2億4000万ドル(約358億円)のテレビ放映権契約を結んでおり、リーグ自体の評価額もほぼ同額と好調な成長を遂げている(スポーツ専門チャンネル『ESPN』より)。来季より2チームが増加して16チームとなり、ゆくゆくは32チームまで拡大する構想もあり、「メジャー」化の道を突き進んでいるようだ。
一方で、『ESPN』はこういった景気の良い地域と、それ以外の「経済格差」を指摘しており、女子サッカーにはまだ「お金の問題」はついて回ることになるようだ。ここからのさらなる成長ぶりを見守っていきたい。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】イングランド対スペイン 女子EURO決勝ハイライト
そして同メディアも、「またこの大会は、(独裁国家ではない)民主的で、石油資源に頼らない国でも、ホストカントリーに選ぶ価値があることを感覚的に証明する機会ともなった。スイスは控えめながらも確実に、『スペクタクル』を演出するという課題に応えた」と、やはり男子サッカーにおける近年の「流行」を皮肉ることは忘れていない。
総観客数が2万720人だった1984年の第1回大会(全6試合)から、40年間で大きな成長を遂げたと言える同大会は今後、他のコンペティション同様に拡大を目指し、出場国を24に増加させることも視野に入れているという。女子サッカー界はワールドカップも一昨年のオーストラリア・ニュージーランド大会で32か国に増え、世界の19クラブが出場する女子クラブワールドカップも2028年にスタート予定と、全体的に大きな発展の途にある。
欧州に対峙する勢力であるアメリカの女子トップリーグ「NWSL」は、史上最高額となる2億4000万ドル(約358億円)のテレビ放映権契約を結んでおり、リーグ自体の評価額もほぼ同額と好調な成長を遂げている(スポーツ専門チャンネル『ESPN』より)。来季より2チームが増加して16チームとなり、ゆくゆくは32チームまで拡大する構想もあり、「メジャー」化の道を突き進んでいるようだ。
一方で、『ESPN』はこういった景気の良い地域と、それ以外の「経済格差」を指摘しており、女子サッカーにはまだ「お金の問題」はついて回ることになるようだ。ここからのさらなる成長ぶりを見守っていきたい。
構成●THE DIGEST編集部
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