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海外サッカー

エムバペとも比較される神童!“AZ史上最高の逸材”が名門クラブのオファーを断る理由

中田徹

2020.02.27

クラブで好調を維持するボアドゥは、A代表デビュー戦で初ゴールをマーク。EURO本大会のメンバー入りに名乗りを上げた。(C)Getty Images

クラブで好調を維持するボアドゥは、A代表デビュー戦で初ゴールをマーク。EURO本大会のメンバー入りに名乗りを上げた。(C)Getty Images

 オランダ代表デビューは昨年11月のエストニア戦。ロナルド・クーマン監督は「彼は賢いプレーヤーだから大丈夫」と普段はほとんどプレーしない左ウイングとして後半から起用した。すると87分にケビン・ストロートマンの浮き玉のパスを胸トラップで収め、素早く右足を振り抜き代表初ゴールを決めた。

 順風満帆のキャリアを送っているように見えるが、11歳のときに名門アヤックスの入団テストに落ちる挫折も味わった。彼が生まれ育ったアムステルダムのバイルメールは、アヤックスの本拠地ヨハン・クライフ・アレナの目と鼻の先にあるだけに、「テストに落ちて泣きに泣いた」という気持ちは理解できる。

 膝の前十字靭帯断裂の大怪我を乗り越えて迎えた18-19シーズンは、AZのトップチームでレギュラーを掴み、開幕から5節までに3ゴール・2アシストと素晴らしいスタートを切った。

 しかし好事魔多し。9月のフェイエノールト戦で相手からタックルを受けて右足首に重症を負い、残りのシーズンの大半を棒に振ってしまった。苦難を経験し、年齢の割には遠回りをして、彼はここまで辿り着いたのだ。
 
 続々とティーンエージャーたちがビッグクラブに青田買いされていく時勢にあっても、ボアドゥは地に足をつけた考え方を持っている。

「まずはここで15~20ゴールと10アシストを達成できてから、次のステップを考えるよ」

 事実、プレミアリーグの名門アーセナルや、かつて自分を落としたアヤックスからのオファーを断っている。

 ヘディングに課題があるのは本人も認めている。しなやかさという武器を損なうことなくフィジカルを強化して、苦手な空中戦を強化できれば、ペナルティーエリア内でより圧倒的な存在感を放てるようになるはずだ。

■Myron BOADU
ミロン・ボアドゥ(AZ/オランダ代表)
生年月日/2001年1月14日(19歳)
出身地/アムステルダム(オランダ)
身長・体重/183cm・67㎏
主要ポジション/CF
A代表/1試合・1得点
ユース年代の代表歴/オランダU-15、U-16、U-17、U-19、U-21
キャリアの転機/16歳でAZとプロ契約(17年6月)

文●中田徹
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年3月5日号より転載
 
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