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海外サッカー

「コンテ・インテル」の特徴と可能性は? Jリーガー随一の海外サッカーマニア・林陵平が分析!

林陵平

2019.10.22

林陵平(Ryohei HAYASHI)<br />
明治大学を経て2009年に東京ヴェルディとプロ契約。翌年から柏、山形、水戸、ヴェルディと渡り歩き、19年8月にFC町田ゼルビアへ。自他ともに認める「Jリーグ随一の欧州サッカーマニア」。

林陵平(Ryohei HAYASHI)
明治大学を経て2009年に東京ヴェルディとプロ契約。翌年から柏、山形、水戸、ヴェルディと渡り歩き、19年8月にFC町田ゼルビアへ。自他ともに認める「Jリーグ随一の欧州サッカーマニア」。

 センシもそうですが、このチームにスーパースターはいないし、誰もが戦術に忠実で献身的。とてもコンテらしい「玄人好みのスカッド」に仕上がっています。イカルディ、ペリシッチ、ナインゴランという実力も名声もあるけど、ピッチ内外で一癖も二癖もある選手たちが戦力外となり、チームを追われたのも納得ですね。

 このコンテ・インテルは堅実で、とても「負けにくいチーム」なので、どちらかと言えばセリエAで強さを発揮するはず。最終的には8連覇中の絶対王者ユベントスを破り、優勝することも可能ではないかと個人的には思っています。

 その一方で、より多様性に富んだハイレベルなチームが多く、オープンな展開が増えるCLでは苦しむかもしれないですね。実際にグループステージ1節は、格下と見られていたスラビア・プラハに苦戦し、試合終了間際のゴールで引き分けに持ち込むのが精一杯でした。同じ組のバルセロナとドルトムントはさらに強敵ですしね。

 セリエAで優勝を目指し、CLで勝ち進むうえで鍵になりそうなのが、ターンオーバーです。ここまでは基本的に先発を固定していて、とくに消耗が激しいWBのカンドレーバとアサモアの勤続疲労が心配。ビラーギ、ダンブロージオ、ラザロと左右ともに良いタレントが控えているので、使い分けも可能なんじゃないかと思います。
 
 2トップはルカクとマルティネスが軸ですが、さらにサンチェスとポリターノも控えています。サンチェスはマンチェスター・Uで散々でしたが、言うまでもなく実力は一級品。コンテの下でハードワークし、復活すれば大きな武器になるはずです。ただ、サンチェスは怪我で年内は欠場するようなので、ちょっと残念ですね。ポリターノは左利きですが右足のキックも上手くて、個人的にはけっこう好きなタレント。上手くチーム戦術に落とし込めれば良いオプションになると思います。

 この「伸びしろ」の面を含めて、コンテ・インテルがどう成熟していくか、今後も楽しみに観ていきたいです!!

構成●白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)

※『ワールドサッカーダイジェスト』20191017日号より修正・転載
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