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海外サッカー

「露骨なダイブ。スキャンダルな行為」 イングランドの決勝PKを生んだプレーに各国から疑惑の目…一方でデンマークの先制FKにも“反則”の指摘

THE DIGEST編集部

2021.07.09

 これに同調する声は多く、元ドイツ代表のディトマール・ハマンは、コメンテーターを務めた『RTE』で「露骨なダイブ。スキャンダラスな行為だと思う。イングランドは常にフェアプレーを重視し、ダイブをしないことを誇りにしていたのに……」と、スターリングを批判。他にも、アーセン・ヴェンゲルが『beIN SPORTS』で「ペナルティーはなかった」と明言し、ジョゼ・モウリーニョは「決してPKではない。イングランドの決勝進出には満足しているが、あの判定には失望している」と語った(『Gazzetta dello Sport』より)。

 ヴェンゲルはまた、「なぜ主審がビデオで確認しなかったのか理解できない」と疑問を呈したが、これに対して英国の日刊紙『The Guardian』は「見る者によってはファウルはなかったように見えるが、主審はVARと相談した上で、ペナルティーを確認した」と綴っている。ただ、試合を裁いたダニー・デズモンド・マッケリー主審に対して「(このプレーの際)長い時間、ピッチ上にボールが2つ入ったままでも試合を止めず、放置した」とヒュルマンド監督が抗議しており、このオランダ人審判に問題があったのは明らかなようだ。

 もちろん、これに反論する声も多々あるが、イングランド国内でもPK判定は間違いだったと考える国民が少なくないことを、同国日刊紙『Daily Mail』が報じ、SNS上の「英国人でもあの判定には笑ってしまった」「PKは絶対にない」「何てジョークだ」「PKではないと思うが、イングランドはこれぐらいの幸運を手にする権利がある。これまで審判によって多くの勝利を奪われてきたのだから」との投稿を紹介している。
 
 ただ、“疑惑”はこのPK判定にとどまらない。デンマークの先制点となったFKの際、3人の選手が動いてGKジョーダン・ピックフォードの視界を遮ったことが話題になったが、彼らが「FKの際、インプレーの前に攻撃側の選手は、守備側の選手が作った壁と1メートル以上距離を空けなければならない」との規定に抵触したという指摘があり、「デンマークの先制点は認められるべきではなかった」という声が上がっている(『Birmingham Live』より)。

 また、ケインのPKの際には、デンマークのGKキャスパー・シュマイケルの顔に向けて、スタンドからレーザー光線が照射されていたことが発覚し、デンマーク、イングランド両国の多くのメディア、ファンがこの愚行を糾弾している。

 物議も醸した白熱の一戦の末に、ついに念願の欧州制覇に王手をかけたイングランド。11日の決勝では大サポーターが陣取るウェンブリーに、これまでメジャーイベントでは一度も勝ったことがないイタリア(1分け3敗)を迎える。難敵相手に、クラブレベルでは幾度も手にしている「大陸王者」の称号を奪い取ることができるか。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】判定は妥当? 物議を醸しているイングランドのPK獲得シーン(1分24秒~)
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