EURO2020は４強が出揃い、現地時間７月６日にはイタリアとスペインが、７日にはイングランドとデンマークが、11日に行なわれる決勝戦へのチケットを懸けて、それぞれ対戦する。

　これら残り３試合は全て聖地ウェンブリーで開催されることで、地の利があるイングランドが優勝に最も近い位置にいると見る者は少なくないようだ。もちろん、このアドバンテージだけでなく、決勝トーナメントに入り、ドイツ、ウクライナから計６ゴールを奪い、無失点で乗り切ったという攻守のバランスの良さも、優勝候補筆頭説の根拠となっているようだ。

　また大手のブックメーカーにおいても、サッカーの母国は一番人気となっており、「ウィリアムヒル」ではイングランド6/4、イタリア9/4、スペイン3/1、デンマーク9/1というオッズがつけられている。
  　しかし、一方でイングランドに対しては、攻撃面でのバリエーションは乏しく、直近２試合で示した得点力についても組み合わせに恵まれたことを指摘する声も少なくない。真の優勝候補であるかを判断するにはデンマーク戦を待つ必要があるという慎重な見方もあるが、欧州最大のメディアグループ「RTL」のスポーツサイトは、大手データサイト『Opta』の分析結果を基に、イングランドの優勝の可能性を“たった”26.8%だとしている。

　このホームチームを抑えて最も高い確率を示したのが、今大会絶好調のイタリアで39.9％。他の２チームは、スペインが23.1％、デンマークが10.3%となっている。ちなみに、決勝進出の確率はイタリアが65.2%でスペインが34.8%、一方のカードではイングランドが67.7%でデンマークが32.3%という数値が導き出されたという。

　データ上での一番人気となったイタリアは、ロベルト・マンチーニ監督の下で、魅惑的かつ効率的とも言える攻撃サッカーを披露し、守備面でも相手のエースを無力化する伝統の強さを発揮している。準々決勝で「事実上の決勝戦」ともいわれたベルギーとの戦いで強さを示したことで、さらに評価を高めている。