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日本代表

敗因分析が続くイタリア、顕著な若手割合の低下を問題視! U-21伊代表監督は「セリエAで選手が見つからない」教育現場や経済界からも危機感

THE DIGEST編集部

2022.03.30

 U-21イタリア代表のパオロ・ニコラート監督は、チーム作りにあたって、「セリエAで選手が見つからないため、セリエCにすぐ目を向けることになる」と告白。この状況について「我々全員がこれに責任を感じなければならない」と訴え、トップリーグでプレー機会を与えて、ハイレベルな経験を積める若手選手が少ない傾向を、「我々を良い結果に導くものではない」と厳しく断じた。
 
 国内の若手選手の出場を阻む要因として最も大きいのは、やはり外国人選手の多さであり、『Gazzetta dello Sport』紙は、ミラン(74.1%)、ラツィオ(73.1%)、ナポリとアタランタ(72%)、インテル(68%)、ローマ(64%)、ユベントス(56%)という主要クラブの外国人選手の割合を紹介している。

 ただ若い選手が多ければそれで良いというものではないが、彼らの突き上げによる健全な競争はサッカー界の改善に必要であるという点では、各メディアの意見は一致しているようだ。それは、プロリーグ(セリエAのチーム数を18に減らすことでレベルや娯楽性の向上を図るべきの声は多い)に限らず、育成レベル、さらには学校の体育教育や社会・文化レベルでの改革の提言にも及んでいる。

 ミラノ市の総合メディアサイト『MilanoFree.it』は、親の負担が大きくなりすぎる現在の育成環境の改善、指導者のレベルの向上、育成に力を注ぐ企業の保護の他、イタリアの子どもたちの運動離れ(経済的な事情もあって、5人にひとりは全くスポーツをやらず、肥満児の人数も全体に半分に達しているという)の解消、全ての学校への体育施設の設置などによって、若年層のスポーツ人口を増加させて裾野を広げることを訴えた。

 イタリアの経済専門サイト『Investireoggi.it』は、今回のW杯予選敗退により、サッカー連盟(FIGC)は最低で1050万ドル(約13億円)の収入(優勝すれば4750万ドル=約58億円)を逃し、代表チームが12年間も大舞台から遠ざかることが決定したことでこの国のリーグ戦の価値も下がることが予想され、さらにW杯本大会中に動くはずだったお金も動かないことで国内経済も停滞するなど、大きな負の影響が各方面に及ぶと予想し、この点からも「サッカー改革はこれ以上、延期できない」と結論づけている。

 冒頭のデータといい、全ての結果や数値が今、カルチョの国の変化の必要性を訴えているようであるが、これに対して、イタリアはどのように動くかが注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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