この構想は、統括機関のUEFA（欧州サッカー連盟）がCLを財政面で独占していることに反対し、「より質の高い試合の提供」「各クラブへの公平で適正な収入の提供」「経済成長とサッカー界のさらなる発展への寄与」などを目的に立ち上げられ、マドリーの他、バルセロナ、アトレティコ・マドリー、アーセナル、チェルシー、リバプール、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、ユベントス、インテル、ミランが参加を表明した。 　しかし、これはビッグクラブの傲慢さと身勝手さとも捉えられ、「サッカー界を根底から揺るがすもの」「各国の大部分のクラブにとって存亡の危機」であるとして、UEFAら統括機関はもちろん、多くのクラブ、さらには各国政界からも反対意見が噴出。ビッグクラブのサポーターでさえ、これを拒絶したことで、早々に多くのクラブが参加表明を取り下げ、今や支持しているのはマドリー、バルサ、ユベントスの３クラブだけである。

　英国の日刊紙『Daily Mail』も、「ESL構想の立ち上げから１年後、バルサは欧州のトップ争いから脱落し、ユベントスもベスト16で敗退。ミランはグループ最下位、アーセナルやトッテナムはCL出場の資格すら得られないなど、創設メンバーの多くが期待に応えられていない。“小さなクラブ”がビッグクラブをノックアウトしたという事実は、CLがいかにコンペティティブでオープンなイベントかを証明している」と指摘した。

　このように、ESLに対するネガティブな姿勢が改めて各方面から示されることとなったが、『Daily Mail』は一方で、UEFAが2024年からCLの拡大を目指していることにも言及。よりクラブの負担や国内リーグへの悪影響が増す可能性があることを懸念している。また、同メディアは、昨年、ESLにノーを突きつけたサポーターグループが、現在はUEFAの“改革”に反対しているという皮肉的な状況も報じている。

構成●THE DIGEST編集部

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