4試合で3ゴール1アシストと、キャリア晩年を迎えてもチームの中点的存在として輝き続けるメッシに、スポーツ科学者のサイモン・ブランディッシュ氏は興味深いコメントをしている。
ブランディッシュ氏は米放送局『CNN』のジョージ・ラムゼイ記者の取材に対し、「チームメイトのパウロ・ディバラがするようなランニング能力はないが、メッシは天才であり、アルゼンチンを勝利に導くことができる」と答えている。
加えて同氏は、メッシはW杯でゆっくりスペースを確保した後、得点のチャンスを演出するために歩き回ることが多いと指摘する。例えば、決勝トーナメント1回戦のオーストラリア戦でメッシは4752.7mも歩いた。FIFAオフィシャルによると、これはピッチ上の誰よりも300メートル多く歩いている。
ブランディッシュ氏は「メッシのプレーを見れば、相手がボールを持っているときに、彼がスペースに立っていることが分かるだろう」と説明し、メッシの歩行量はアルゼンチンの守備組織を物語ると付け加えており、W杯優勝の可能性を示唆する。
「アルゼンチンは、メッシが相手にプレスをしにいかないことを基本にシステムを構築している。彼らはハイプレスのチームではないし、メッシの役割はプレーに関与しない。だから勝てるんだ。W杯優勝も不可能ではない」
オーストラリア戦後、メッシは「とてもタフで、フィジカル的にきつい試合だった」と振り返った。確かに時折ピッチで足を止める姿も見せていた。しかし、ひとたびメッシがボールを持てば、他のプレーヤーと違いを生み出す。
特筆だったのは65分。ハーフウェーライン付近でボールを受けた35歳は、いったん自陣側にボールを持ち出すと、クルッと向きを変えて、一気にスピードアップ。なんとか食い止めようとするオーストラリア守備陣3人が囲いに行くも、緩急自在なドリブルに翻弄されてしまう。
3人の間を容易く抜けていったメッシは、味方とのワンツーを絡めて瞬く間に敵エリア内に侵入。最後はなんとか身体を張った相手DFに食い止められたが、得点シーン以上に彼の存在感を示すようなプレーにスタジアムはドッと沸いた。フランスのニュース専門局『France 24』は「メッシの魔法」「中央から試みた壮麗なドリブルをオーストラリアは慌てて追うしかなかった」と絶賛している。
メッシ率いるアルゼンチンは36年ぶりの優勝まで、あと3試合となった。だが、準々決勝オランダ戦は今大会で最も過酷な一戦になることは間違いない。神の子・マラドーナを超えた男は、『最後の大会』と位置付けられるW杯を母国に持ち帰ることができるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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加えて同氏は、メッシはW杯でゆっくりスペースを確保した後、得点のチャンスを演出するために歩き回ることが多いと指摘する。例えば、決勝トーナメント1回戦のオーストラリア戦でメッシは4752.7mも歩いた。FIFAオフィシャルによると、これはピッチ上の誰よりも300メートル多く歩いている。
ブランディッシュ氏は「メッシのプレーを見れば、相手がボールを持っているときに、彼がスペースに立っていることが分かるだろう」と説明し、メッシの歩行量はアルゼンチンの守備組織を物語ると付け加えており、W杯優勝の可能性を示唆する。
「アルゼンチンは、メッシが相手にプレスをしにいかないことを基本にシステムを構築している。彼らはハイプレスのチームではないし、メッシの役割はプレーに関与しない。だから勝てるんだ。W杯優勝も不可能ではない」
オーストラリア戦後、メッシは「とてもタフで、フィジカル的にきつい試合だった」と振り返った。確かに時折ピッチで足を止める姿も見せていた。しかし、ひとたびメッシがボールを持てば、他のプレーヤーと違いを生み出す。
特筆だったのは65分。ハーフウェーライン付近でボールを受けた35歳は、いったん自陣側にボールを持ち出すと、クルッと向きを変えて、一気にスピードアップ。なんとか食い止めようとするオーストラリア守備陣3人が囲いに行くも、緩急自在なドリブルに翻弄されてしまう。
3人の間を容易く抜けていったメッシは、味方とのワンツーを絡めて瞬く間に敵エリア内に侵入。最後はなんとか身体を張った相手DFに食い止められたが、得点シーン以上に彼の存在感を示すようなプレーにスタジアムはドッと沸いた。フランスのニュース専門局『France 24』は「メッシの魔法」「中央から試みた壮麗なドリブルをオーストラリアは慌てて追うしかなかった」と絶賛している。
メッシ率いるアルゼンチンは36年ぶりの優勝まで、あと3試合となった。だが、準々決勝オランダ戦は今大会で最も過酷な一戦になることは間違いない。神の子・マラドーナを超えた男は、『最後の大会』と位置付けられるW杯を母国に持ち帰ることができるのだろうか。
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