なお、上位20 クラブの収益は 計92 億ユーロ（約１兆2300億円）に達し、前年比13% の増加に。これは2020年以降、コロナ禍によって観客動員が制限されてきたのが、昨季からようやくファンがスタンドをフルに埋められるようになったことが大きく、実際に入場料収益の合計は１億1100万ユーロ（約157億円）から14億ユーロ（1974億円）と大幅に増加したという。

　プレミアリーグの上位勢はいずれも15% 以上の収益増加を記録したが、それでもコマーシャル収入の合計は８％増加した一方で、放映権収入はコロナ禍の影響で一昨季よりも11%も減少したとのことであり、今後はさらに他リーグとの差を広げることになりそうである。
  「Deloitte」によれば、「欧州５大リーグの中で、プレミアリーグは最新の権利売却プロセスにおいてその価値が上昇した唯一のリーグであり、世界中の多くのフォロワーにアピールし続け、そこに属するクラブは他国のライバルよりも大きな収益の優位性を有している」という。

　ファンやメディアだけでなく、商業パートナーや投資家からの関心もかつてもないほどに高まっており、さらに財政が潤うことで、戦力をより高めることも可能となり、「プレミアリーグは事実上、無敵になる可能性がある」という。こう予想する「Deloitte」は、「もはや興味の対象は、プレミアリーグの全20クラブが『マネーリーグ』のトップ30にランクインできるか？　ではなく、それがいつになるか？　である。それが現在の状況だ」と断言した。

　なお、「Deloitte」はランクインしたクラブにおける「女子チーム」にも言及。平均で210万ユーロ（約３億円）の収益を上げたものの、全体としては損失の方が多かったということで、「女子クラブのサッカーが経済的に持続可能な方法で発展し続けるためには、改善すべき点がある」と指摘する。

　しかし、「初期段階のビジネスには損失が伴うことが予想される。女子サッカーの課題は、単に男子サッカーのテンプレートに従うのではなく、成長のための適切な戦略を開発することだ」と課題を挙げながらも、「成長の可能性がある女子チームは今後、クラブに大きな価値をもたらす」と、明るい展望を示している。

構成●THE DIGEST編集部