評価と期待の高さゆえに、目標を果たせなかった今、サウジ国内では厳しい目を向けられることとなったマンチーニ監督だが、母国イタリアの反応はそれ以上に辛辣だ。欧州制覇の英雄は、昨夏にサッカー連盟との対立を理由にアズーリを去り、すぐにサウジに渡ったことで、少なくないイタリア人の怒りを買ったからだ。
スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「嘲笑のサウジ! マンチーニの呪われたPK戦
(後略)」と題したレポート記事で、「イタリアのコーチにとっては信じられないようなジョークで、アブドゥラ・ラディフのゴールで99分までリードしていたにもかかわらず、最後にチョ・ギュソンのヘッド弾で同点に追いつかれた。マンチーニにとっては悪夢で、PK戦を終える前に早くもロッカールームへ戻ることに。彼の将来は全てが未定だ」と、皮肉をまじえながら、前代表監督の受難を伝えた。
一方、フランスのスポーツ専門サイト『sportal.fr』も、「マンチーニのアジアカップでの冒険はラウンド16で終了。イタリア・ジェージ出身の指揮官にとっては、痛烈な皮肉となった」と綴り、また大会中には3選手が出場をめぐってチームを離脱するという事態が起こり、この論争にも巻き込まれたマンチーニの今後について「サウジでの活動を終え、直ちに帰国することになるだろう」と推測している。
韓国戦後の記者会見で自国報道陣から自身の去就について訊かれ、「私には優れた選手たちが多くおり、将来に向けて協力していく」と続投に意欲を示したマンチーニ。韓国を率いたユルゲン・クリンスマン監督からは、「マンチーニがサウジのために成し遂げたことは並外れたものであり、彼は代表チームを素晴らしいものにした」と称賛を受けた。
余談だが、同じ59歳で、今大会では2大陸での王座獲得がなるか注目されていた両監督(クリンスマンは2013年のCONCACAFゴールドカップ優勝)。昨年9月の現職での対決(韓国が1-0で勝利)の他、現役時代にはマンチーニがサンプドリア、ラツィオ、クリスンマンがインテル、サンプドリアに所属したことで幾度も対戦しており、さらにそれぞれイタリア、ドイツの代表選手としては2度相まみえている。
最初はEURO1988の開幕戦(1-1)で、マンチーニが鮮やかな先制点(大会ファーストゴール)を決めるという、アズーリでは力を発揮できずに36試合4得点の記録に終わった彼が唯一輝きを放った一戦。そして2戦目は1994年5月の親善試合(1-2※クリンスマンは2得点)、ジャンフランコ・ゾーラとの早期交代に納得がいかなかった彼は、アリーゴ・サッキ監督に説明を求めて口論に発展し、アメリカ・ワールドカップ出場の希望が消えるとともに、自身の代表キャリアにも幕を下ろすこととなった。
奇しくも現役時代はクリンスマンとの対峙が自身の代表キャリアにおける重要な試合で訪れたマンチーニだが、代表監督として2度の対決(現役時代同様に1分け1敗)を終えた後、彼にはいかなる将来が待っているのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】勝負を見届けずにピッチを後にしたマンチーニ監督…
スポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、「嘲笑のサウジ! マンチーニの呪われたPK戦
(後略)」と題したレポート記事で、「イタリアのコーチにとっては信じられないようなジョークで、アブドゥラ・ラディフのゴールで99分までリードしていたにもかかわらず、最後にチョ・ギュソンのヘッド弾で同点に追いつかれた。マンチーニにとっては悪夢で、PK戦を終える前に早くもロッカールームへ戻ることに。彼の将来は全てが未定だ」と、皮肉をまじえながら、前代表監督の受難を伝えた。
一方、フランスのスポーツ専門サイト『sportal.fr』も、「マンチーニのアジアカップでの冒険はラウンド16で終了。イタリア・ジェージ出身の指揮官にとっては、痛烈な皮肉となった」と綴り、また大会中には3選手が出場をめぐってチームを離脱するという事態が起こり、この論争にも巻き込まれたマンチーニの今後について「サウジでの活動を終え、直ちに帰国することになるだろう」と推測している。
韓国戦後の記者会見で自国報道陣から自身の去就について訊かれ、「私には優れた選手たちが多くおり、将来に向けて協力していく」と続投に意欲を示したマンチーニ。韓国を率いたユルゲン・クリンスマン監督からは、「マンチーニがサウジのために成し遂げたことは並外れたものであり、彼は代表チームを素晴らしいものにした」と称賛を受けた。
余談だが、同じ59歳で、今大会では2大陸での王座獲得がなるか注目されていた両監督(クリンスマンは2013年のCONCACAFゴールドカップ優勝)。昨年9月の現職での対決(韓国が1-0で勝利)の他、現役時代にはマンチーニがサンプドリア、ラツィオ、クリスンマンがインテル、サンプドリアに所属したことで幾度も対戦しており、さらにそれぞれイタリア、ドイツの代表選手としては2度相まみえている。
最初はEURO1988の開幕戦(1-1)で、マンチーニが鮮やかな先制点(大会ファーストゴール)を決めるという、アズーリでは力を発揮できずに36試合4得点の記録に終わった彼が唯一輝きを放った一戦。そして2戦目は1994年5月の親善試合(1-2※クリンスマンは2得点)、ジャンフランコ・ゾーラとの早期交代に納得がいかなかった彼は、アリーゴ・サッキ監督に説明を求めて口論に発展し、アメリカ・ワールドカップ出場の希望が消えるとともに、自身の代表キャリアにも幕を下ろすこととなった。
奇しくも現役時代はクリンスマンとの対峙が自身の代表キャリアにおける重要な試合で訪れたマンチーニだが、代表監督として2度の対決(現役時代同様に1分け1敗)を終えた後、彼にはいかなる将来が待っているのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】勝負を見届けずにピッチを後にしたマンチーニ監督…
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